なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

仮想世界のお金

2007-02-27 02:17:18 | Weblog
 先日NHKの「クローズアップ現代」で取上げられた問題。
 ゲームマネーの現金取引のことです。
  インターネットでゲームに参加して・・・私はよく分からないのですが、巨大なゲームに参加して、その中でポイントを獲得していろんなアイテムを装備したり、レベルアップをしていくのだそうです。
 そういうサイトがあることは2,3年前に机を並べていた若い同僚から教えていただいていました。
  彼もあるゲームの会員だそうです。
 その時に教わったのが、このゲームマネーを現金で取引するという話。
  当時の彼の説明では「ニートと呼ばれる人の中には一日中ネットゲームをしていて、稼いだポイントを現金化して商売をしている人もいる」程度だった。
 好いこと事ではないが、小遣い稼ぎ程度に受け取っていましたが、この間の番組ではそのアンダーグランドの活動が企業化しているのだそうです。
  一つの要因は、昼間仕事をしていて「あまり時間が無いのだけれどお金はある人」のゲーム参加が増えていて、そういう人がこのゲームマネーを現金で買うのだそうだ。
 初めからアイテムやスキルがあれば相当楽にゲームを出来るのは確かですが、何だか”お金で買えないものは無い”!?

さて、一日中ゲームをやってポイント稼ぎ=これは手作業ですが、近代的?効率を考えるとそれだけでは企業にならない!?
 自動的にゲームの画面上で動いて、勝手にポイント稼ぎをするソフトを操って、ゲームマネーをかき集める・・・ボットと呼ばれている(ロボット的な動きから来たとか)物もありました。
 中国東北部から日本の拠点を経由してこういう違法活動をしてかなりの額を稼いでいる
  ゲーム運営者はこれらを禁止しているのだけれど、対策が後手後手なのが実情

明らかに違法行為なんだけれど、こういうものがはびこるのは、需要があるからだと考えます。
 お金でゲームマネーを買う人がいなければ成り立たないはずで、本来ゲームで”働いて”手に入れなくてはいけない”子供銀行券”を”働いて”と言う部分の替わりに現金で買うのです。
 それは他人の労働に対して対価として報酬を支払うのですから一見正当な経済活動みたいにも見えるけれど”働く”事を”楽しむ”と言う部分が抜けています。
 そこがスポーツとかゲームでは重要なところのはずなんだけれど・・・
   全く”虚”の世界なのに本物のお金が・・・

何だかコマーシャルの文句みたいで「お金で買えるものもある」
 「努力の過程、その結果を大事に」なんていうと古臭い道徳の塊みたいですが、こういうものを古臭い=人前で言えないと考えることもおかしいのだろうな
 だから自分もこういう風潮に多少の責任もあるのかも知れません。

これをもし囲碁のネットで応用したら・・・
 例えば、自分の名前で強い人に打って貰って点数を稼いだりランクを上げてもらう・・・自分で打って下がってきたら応援を頼む・・・
 こういうことは顔が見えていなければ出来ないことも無さそうです。
  マア対局ウォッチャーみたいな人がいれば「○○さんは強い時とそうでないときの差が激しい」と思われる程度でしょうか?
 「勝つときの打ち方と、負けた時では大分違う・・・ほんとに同一人物かな?」と思う人がいるだろうか。
  最も重要なのは、そうやって点数を確保して楽しいかどうかです。
 もしこれが楽しければ「囲碁代打ち」というか「ゴーストプレーヤー」という商売?が成り立つでしょうね。
 囲碁将棋では昔から盤側の助言問題はあるけれどそれは”偶々”のアクシデントみたいなものでしょう。
  これを商売としているというのは聞いたことは無い・・・
 最も「目碁」の世界ではあるのかも知れない・・・
  (その世界のことは分からないのです)
 いずれにせよ勝利を金で買うというか、ゲームで金に物を言わせる・・・それでも楽しいと考える人がいれば、”有る事”かもしれない?。

 マージャンの「代打ち」なら昔随分やりました。
 学生時代に雀荘でアルバイトをしていたので・・・昼の営業時間を任されていたようなものです。
  普通4人揃って打ちに来ますが、偶々一人遅くなる時など「代打ち」が当てにされる。
 時間を無駄にしない?で遊ぼうというのです。
  ただマージャンですからいくらかのレートが乗っています。
 ですから「代打ち」が負けてもタダということは無い。
  お店が半分負担でした。
 勝てば全部いただけるのですから結構真剣でした。
  (但し、代打ちとはいえ商売の一環ですから”さわやか?”に勝たなければいけない・・・その辺の呼吸は難しい)

話が取り留めの無い方へ行ってしまいました。
 ともかく違法かどうかの前に、まず楽しいのかどうかが問題ですね。
  勿論お金が動いて、そのお金が別のアンダーグランドで使われて、悪いことがはびこるというのは困る。
 それにしても、ゲームアイテム・ゲームでしか通用しないマネーを現実のお金で買って・・・ゲームの中でレベルアップしたり、活躍するのが楽しいのでしょうね。
 それは現実の世界で満たされない部分なんでしょうか。
  しかしこれは仮想世界ですから、皆がレベルアップしてきたらレベル頭打ちみたいになるでしょう・・・最強のアイテムといわれているものがあっても、それを上回るものを提供するようになると思われる。
  そうなるとこれは上向きのスパイラルというか、膨張する宇宙みたいなもので、際限の無い話になりそうです。
  囲碁では・・・謝礼を払って初段免状を取得しても、碁敵に笑われそうで見せられない・・・などと言う話は可愛いものです。