なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

「打たない」人

2007-02-24 05:27:36 | Weblog
 落語の世界では物事をデフォルメしておりますが、本質を捉えていることも多いようです
 囲碁・将棋の好敵手・・・マア例えば横丁のご隠居と出入りの植木職人とかのレベルではありますが。
  仲が良くて三日と上げずに対局しないではいられないのですが、仲が良過ぎるといにも時としてお互いに我侭が出てしまい、待った」「待たない」から喧嘩をしてしまうというのがお定まりのストーリーのようです。
 こういうのは碁会所・コミュニティでは確かにある
いつも決まった相手と7,8局立て続けに打つような人もよく見かけるのです。
  さすがに落語の世界ではないし「待った」とか「待たない」は無い
(尤もこれはコミュの囲碁の方の話で、衝立一枚向うの将棋の方では時として「待った」「待たない」「汚いぞ」などの声が聞こえることがあるから全く”絶滅”したのでは無さそうです)
 さてこういう”お神酒徳利”みたいな人たち 
  反対に、見てると殆ど対局しない相手というのもあるように見受けられる。
 犬猿の仲というのではなさそうですが・・・しいて言えば周波数が合わないとでも言ったら好いのか、多分お互いに対局しても楽しくないのでしょうね。
  だから無理に対局することも無いということなんでしょう。
 だから、余程他に相手がいない場合に打つこともあるという程度
  「久しぶりにやりましょうか」などと言いながら始めますが・・・顔は毎日合わせているような人たちなんですが、打つのはほんとに久しぶり。

  さてこういう人間関係と言いますか、気の合った人と打つ場合と
 違う尺度で対局相手を探すように見える人もいます。
  (そういう時もあるのか、いつもそうなのかは断言できないけれど)
プロ絡みの話では(プロ棋士自身の問題ではありません)
 ある碁会所に通っていた時のことです
  そこには中国囲碁協会のプロ棋士がほぼ常駐していて、指導碁を受けることが出来ました。
 指導碁には2種類あって、月例リーグ戦には先生も参加してくれていて、リーグ戦対局として打つことが出来ました。
 そのほかに、指導碁を希望すれば有料ですが指導碁を受けられたのです。
  そこに地元の大学の医学部の先生が二人通っていて、よく顔を合わせました。
 しかしさっきの話ではないですが、顔は合わせるのですが1局も打ったことは無いのです。
 私の方から拒否したり、忌避したりなどしていませんが、彼らには私と打つ気は無いのです。
 いえ、私だけではなくそこに通ってきている誰とも打つ気は無い!
  彼らははっきりは言いませんが、私の想像では・・・私の僻みっぽい耳にはこのように聞こえます・・・「棋力向上の為にプロに教わりに来ているのであって、筋の悪い素人と打つと悪い癖がつくから打ちたくない・・・」
  当たらずといえども遠からずのように思う。
   あるときプロの先生が「どうですか」と勧めてくれたけれど、彼らは「イヤー・ムニャムニャ」だった

 マア、打ちたくない人と無理に打つことも無いけれど、「筋悪な相手と打つと筋悪がうつる」みたいに思うようです。
 確かに私は筋悪ですが何だか黴菌扱いされたみたいです・・・相手は大学病院の先生だから・・・何だか辻褄があっているみたい。
 ま、彼らは少なくともそこでは「素人は相手にしない」のでした。
  そんな感じだから意地でもこちらから「打ちたい」とは言いにくい。 
  では彼らの棋力はアマは相手にしないくらいに、そんなに高かったか?
    私の目には私と互い先くらいに見えましたが・・・。
 一つだけ弁護的に考えると、彼らは大変忙しい身にも拘わらず囲碁を打ちに来ているので、せっかくの貴重な時間だからプロとだけ打ちたかったのかも・・・

さてそのお医者さんたちとは逆に、「プロとは決して打ちたがらない人たちもいます。
 「私らごときがプロに打ってもらって何になる?」と言います。
  プロに教わるのも無料でもないし・・・
 「今更教わっても強くなれるとも思えない」そんな理由でしょうか
「プロに教わる暇?があったら仲間と打つほうが楽しい」ということでしょう。
  
そのお医者さんたちの意思は「向上心」の極端型で、もう一方は「お楽しみ」型とでも言いましょうか?
  しかしこの二つは両極端で相容れない要素なのでしょうか
 「楽しみながら強くなれる」という都合の良い物は無いのだろうか?
それがあれば一番良いのですがどうだろうか
 それが難しいとしたら「楽しむ」ことと「棋力向上」をメリハリをつける・・・
   都合が良すぎるかナ
 「楽しむ」のはアマの特権だし「少しでも強くなりたい」は本能みたいなものですから、両方無くては面白くないです。