なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

半目勝負・再び

2007-03-10 02:38:12 | Weblog
 「半目勝負は運が好いほうが勝ち、1目半は強い方が勝つ」
 これはタイゼムで聞いた話です。
  しかし、こういう風に言えるとしたらその人はプロかプロ並に強い人に違いないと思います。
 そのレベルの対局で、半コウのコウ立てとか手止まりなどを読みきった上で計算した結果、自分の取った作戦など以上に、めぐり合わせに恵まれたという感想なのでしょう。
 それは相手の強さも認めた上での”恵まれた”のはずです・・・それが1目半になると実力差になってしまうという怖い世界ですね。
 マアそれは私などのかかわりの無い世界での話で、コチトラは1目半が5目半でも運の世界です。
 いや、勝つこと事態が運が好いということです。
  
 先日私が半目残った話は、半目を意識した戦いではあったけれど、実際には計算間違いをしていたのだから、運が良いこと以上に間の抜けた話でした。
  大学入試に例えると、自己採点の結果悲観的になって、予備校の準備をしているところへ合格通知が来たようなものです。
  早まって投了して、数えてみたら勝っていたなんてのは無いけれど・・・
 ともかく、碁に限っていうと打っている本人は”運を争っている”とは思っていない、必然の積み重ねで対局をしていると(勘違いにせよ)思っているわけです。
 部分的な生き死にとか定石の進行などは、一応必然です
  但しそういう変化を、きちんと読めるかどうか、いつもは出来るのにその時だけ出来ないというのも運なのか?・・・
 作戦とか大局観で、「どう打っても一局」というところで、その時は見通せなくてもその選択が後に重大な影響があったとしたら、それも運なのでしょうか?
 こういう要素を考えて、素人の方は”運”と考えるものが多くてプロの方が少ないでしょう

 さて先日の半目勝ちの後はひどい碁を打って連敗を喫した。
  だから自分の責任を棚に上げていえば、決して運の好い状態とは言えないような気がします。
 余りにひどい手で運の神様も助けようが無かったか、助ける暇も無くあっという間に負けたのでしょう。
 ともかく、その対局に負けると3連敗という一局です
  こういう対局は切所というか、肝心な曲がり角の対局です
 普通、強い人は連敗をしないと言います・・・連敗しないということは、そこから点数が上がることはあっても、2点は下がらばいということを意味しますから、それは強いはずです。
  残念ながら私とは縁の無い話で、こちらはせいぜい3連敗は阻止したい・・・そうすれば一応今の辺りの点数を徘徊できるというレベルです。
 もし3連敗するならば、そのまま勢いよく連敗街道をまっしぐらになりそうで、その切所が2連敗した時点2有りそう。
 事実3連敗すると、もう一生勝てないような気分になる。

 さて、その碁は私の先番でコミ半目出し・つまり点数で6点上の人
  序盤・中盤と競り合いが続きます・全く強い人は楽をさせてくれません。
 形勢は贔屓目に見れば少し良いかとも見えるけれど、本当のところは分かりません。
 そんな局面で白が当て込んできました。
  (こういう場面は絵で説明すれば早いのですが、まあ拙い分でご勘弁を)
 素直に打つならば、ここで黒は自陣に手入れで何事も起きませんが、それでは白の先手で1目打たれたことになります。(実際には手入れをしておいて、白の目を1つ潰す手が残るので、確率的には半目の手が残るのですが、機敏に戦わなければいけないと「先に当たりをかけて、白の継ぎを待って自陣の手入れに戻る」手を選んだのです。
 もしこの通り進行すれば、先程確率的に半目だった手を1目として打ったことになるので、細かな勝負だからそのように打つ魅力には勝てなかったのです。
 当然のこと、白は継ぐはずも無く、黒が白に当たりをかけた故にダメつまりになった大石に逆に当たりをかけてきて、ここで大きなコウ争いが始まった。
 この石を取られると、上げハマ+地の減りで20目は損をするから、振り替りに失敗したらここで勝負は決まってしまいます。
 結局のところ、私は振り替りで2目損をしたのです・・・これは競り合いの中で痛恨の事態
 しかし”運”が良かったらしい
  振り替りの副次的な効果で、周辺の私の石はダメ詰まりになっても、手入れが不要となった・・・それが一つ
 更に振り替わった形が、どうも黒の半先手に近いらしい・・・
  こういうことは実質の2目損より大きかったようで、その後大きい順に寄せて・・・黒の半目勝ち!

もう時間も余裕が無かったから、ひたすら大きな順に打つしかなかった状況ですから、全くの結果オーらいではある。
 局後の一人反省会で「自戦譜検索」
  例の問題の場面・黒が白に当たりをかけ逆に反撃を呼んだところで、もしこの手で白の要求どおり素直に自陣に手入れをした場合のシュミレーションです。
 この場合は振り替わりなど発生しませんから単純に大きい順に寄せを打つと・・・何と白の半目勝ちになっている。
 全く運の領域で戦っている。
  プロならばそこまで分かっていての戦いなんでしょうが、素人には(私レベルでは)無理なんでしょうね。
  だから”運が好い”ことを素直に喜ばなくてはいけません。