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きのねの本音

染色や木彫り そして気の合う仲間たち
大好きなものに囲まれ シニアライフを楽しんでいます
時には 愚痴や本音もポロリ

山道での出会い!

2013-11-06 14:35:06 | 田舎日記

「帰ったよ!」とMちゃんに電話した翌日、
「紅葉を見に行こう」と、誘いに来てくれた。
剣山の山頂は、もう紅葉が終わってしまったが、山腹なら、まだ紅葉が見られると言う。
Mちゃんの車で、西に向かい、美馬から吉野川の支流、穴吹川沿いに剣山を目指して走る。
朝方はずいぶん冷え込んだが、良いお天気になって来た。
小屋平の穏やかな山村の道に入ると、遠くの山の紅葉が見え始めてくる。

国道438号線に交わる少し手前の山道で、
民家の前に並んで座っている人形を見かけ、車を止めて貰った。
別に、人形の展示会でも、お店でもなさそうだ。
家の前に“家の中にも人形が有ります”と張り紙がしてあったので、
誰も居ないようだったが覗いて見た。

沢山のおじいちゃんやおばあちゃんが、炬燵の中で寝ていたり、
電話をかけていたり、仲良く並んで話をしていたり・・・・。

全て、人とほぼ同じくらいの大きさの人形で有る。
その表情の豊かな事・・・・。
おばあちゃん達の話が聞こえて来そうなぐらいリアルだ。
思わず「居る居る!こんなおばあちゃん!」と、大声を出してしまった。
手ぬぐいで姉さんかぶりをしたおばあちゃん達。
穏やかな日差しを受け、山道に向かって並んで座っている。
きっと子供のころからの仲良しなのだろうなぁ~。
懐かしい話をして居そうな口元が良い!
  
  

私たちに気付いて、人形を作っている人が出て来てくれたので、お話を聞くことが出来た。
人形は二人で作っていて、60体ぐらいあると言う。
今は40体を並べて飾ってあるそうだ。
人形は全て手作りで、手足や体は新聞紙で作り、
顔は、メリヤス地に綿を詰めて表情を出すそうだ。
このメリヤス地は、おじいちゃんやおばあちゃんの肌色の肌着が使われている。
人形の服も「これを人形に着せてやって」と、次々に持ち込まれるそうで、
実際におばあちゃん達が着ていた服なので、一層リアル感がある。
  
たまに、町の文化祭や行事で展示されることは有るそうだが、
ほとんど、ここに飾って、山道を通る人に見て貰っているそうだ。
「二人で、農作業の合間に作るので、沢山は作れない」と、苦労話もされたが、
その顔には、素晴らしい事をしている満足感と、
充実した生き方をしている人の、眩しいほどきれいな笑顔があった。

紅葉に出会う前に、素晴らしい出会いに心が癒された。
そこを出て、いよいよ紅葉の山に向かって、車を走らせた。





 

コメント
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