「四運(しうん)を一景(いっけい)に競う」
青山俊董(曹洞宗尼僧)『致知』2004年9月号特集「恕」より転載
「四運」というのは、季節で言ったら春夏秋冬、人生で言ったら生老病死。人生はいろいろ移り変わっていきます。
愛する日もあれば、憎しみに変わる日もある。成功する日もあるし、失敗する日もある。
寒風吹きすさぶような中で、じっとしていなければならない日もある。
その時、多くが一喜一憂して、追ったり逃げたりするわけです。
しかし「一景」というのは「同じ姿勢」という意味で、
生も死も健康も病気も愛も憎しみも成功も失敗も、全部同じ姿勢で受け止めよということですね。
だいたい、人生の移り変わりなんて、一目では見えませんからね。
愛する日は憎む日がくるとは思えない。健康な日は病気で苦しむ日がくるとは思えませんでしょ。
いかなることが起こっても、そこで姿勢を正す。人生なんていろいろあったほうが豊かでいいんです。
人生の調度品を揃えるような気で、楽しませてもらいましょうと思っています。 転載終わり