カッキーYAMA   akihiko tange

手始めに、日常的なことを気の向いたときに載せていくつもり。

京都の旅・2008・秋冬・part2

2010-01-15 | エッセイ




ご存じ京都駅夜景・人々の集散の場としてやはり、パワーのある場所だと思う


お池大橋付近だったか・紅葉が残っていた


建仁寺・花頭窓・渡り廊下を歩くと庭が垣間見られる
アッと思う


同上・法堂天井図・小泉淳作氏による「双龍図」
これには感動!今から国宝でも良いのではと思った


建仁寺・茶室「東陽坊」・草庵式2帖台目


同上・内観
パンフレットなどによく載っている
中をじっくり見ていると、2帖台目という広さが
大きいのか小さいのかよく分からなくなる
つまりはそういうものかもしれない


同上・天井
この狭いスペースで、天井の部材を中ほどで切り返して
いるところは、外国人などにしてみると、何かのミニチュア
かと思うかもしれない

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京都の旅・2008・秋冬

2010-01-15 | エッセイ

            


          
          京都・鴨川の夜景・床  初秋        

          


 ここ数日、ぐっと冷え込む日が続き、ことのほか今日などは夜になってから寒さが増した。手袋が無いと手がかじかんで思うように動かない。
 寒くなって、京都へ旅行した時のことを思い出した。一年から一年半ほど前、秋から冬にかけ、2回ほど京都を歩きまわった。歩くことが目的のような旅だった。メタボ対策のため、普段から運動するように医者から言われている。なにせ、一時期コレステロール値が400を軽く超えていたのである。それにも増して体質なのか、尿酸値が恒常的に高かった。いつも同じところを歩くのも飽きてくるし、気分を変えるためにも場所を変えてみようと思い、考えついた方法が京都へ行って歩き回る、ということだったのである。京都は国際観光都市である。京都人はかなり小意地の悪いところもあるようだけれど、しかし、京都という街そのものは、外国人観光客も全国から来ている日本人観光客も、朝から目的の観光地へ向けて動いているし、何となくワヤワヤして遊んでいても変な目で見られることもなく、その点は気楽である。遊びに来ている人が多くいるのだ。
 私は、普段東京近郊を歩くのを、単純に京都に移して歩く、と考えた。ついでに神社やお寺など適当にピックアップして目的地とすれば、自然に、歩数計のカウントも上がるだろう、くらいに考えたのである。そこで、青春18きっぷの登場である。片道2300円で、老いも若きも各駅乗り放題。5、6時間ほど、半日かける気になれば神奈川から京都まで楽に行けるのである。それで、そうした。一回行くにつき一週間ほども滞在したのである。それで歩き回った。
 京都は季節限定で開いてたり、予約が必要だったりと、ほかの街とは少し違う。人気スポットは特にそうだ。朝、テキトーに見に行くところをガイドブックを眺めて決める。少し落ち着いてガイドブックを見るために私は喫茶店でその本を広げることにしていて、その喫茶店も大体、決まっている。で、ぶらぶらと歩いて行くと、先程の理由でcloseだったりするのである。扉にかかった、あのcloseという小さな板に何度対面したことか。しかし気にもならない。話のタネになるだけである。近くの店にすぐ入るのである。コーヒーを飲みながら、店のおばさんと、お姉さんと言わねばならないのかもしれないが、「今、そこのお寺、入れなかった」と言ったりすると、「予約して来な、あきまヘン」と笑われ、あるいは、「今、開いてまヘン」と言われたりする。「いつ開くのか、今日か明日か」と訊くと、「ず――っと開きまヘン」と言い、良く訊くと、2か月も3カ月も先の話だったりするのである。私はせっかちではないが、そこまで先の話は頭がついていかない。せいぜい一週間ほどの旅行なのである。次回といっても来られるかどうか。それっきり観ることもなく終わるかもしれないのである。そんな事を話すうち「またお越し」などと言われ、こちらも、お元気でと言い、次の目的地へ、目的地ともいえない目的地へ、実は歩く目的で向かうのである。
 一年余り前は、そんな旅を繰り返した。
 秋頃の旅だったと思う。あるいは冬前だったか。3、4日歩き回った頃、なんだか疲れたな、と思ったことがある。精神的に疲労したのだ。昼間十分歩き、日が暮れ、夜のすこし寒い風がそろそろ吹き出していた。私は、京都では余り多くはないコンビニで少しばかり酒と簡単なツマミを買い、鴨川のほとりへ出た。土手に腰をおろし、ひとり、酒を飲み始めた。京都は大学生が多いせいか、友人と、2人、3人と連れ立って川べりにやって来て、長々と話し込んだり、酒を飲んでいる若者も多くいた。概して静かで、落ち着いた時間を楽しんでいるように見うけられた。風は冷たかったが気持ち良く、川面を見ていると妙に落ち着いた気分になった。昼間あちこちとせわしなく歩き回った反動だったかもしれない。
 そこは、川岸に沿って、岸辺に建ち並ぶ店から、床、が幾つも突き出ていた。良く言うところの「鴨川の床」である。四条から三条にかけて、丁度、先斗町の裏手に当たる。その、床の上で先程から大騒ぎしている一個団体がいるようだった。川辺にいる人々は、川を見ながら座っているので、床には背を向ける格好になるのだが、しばらくして、その背中へ、3階か4階ほども高さのある、床、からバカでかい酔っぱらった声が降って来たのである。床というより店の上の階のテラスのようなところだったかもしれない。「おいっ!」 何度かどなり降ろし、また仲間内で、ウヒャウヒャと高笑いし、テーブルを叩きあっているようなのであった。私はあたりを見た。誰かに向かって声をあげているとも思われなかった。川べりの人々も特には気にしていないようだった。だが、少し間をおくと、また「おいっ!」の連発が始まるのである。どうやら、川辺の土手に腰掛けて語らっている人々、涼んでいる人々に向けられたもののようであった。鴨川の床と言えば、高くはないが少しばかりお金を出してその席で料理を食べるところ、と聞いている。酒に酔い調子に乗って、何か高みから鴨川の川辺で時間を過ごそうとする人々にどなり降ろしたかったのだろう。20代から30代くらいの若そうな男の声だった。学生の感じではなく、会社帰りのサラリーマングループの印象を受けた。もちろん、勘なので、定かではない。何人かで宴会に来ているようであった。まわりが静かなので3、4階ほどの上の様子が、音を通じて伝わってくるのである。「おいっ!」の連発は、人間に対しての言葉ではなく、また思っていることを他人に伝える言葉としてはなはだ未熟でこの状況では、まさに下作である。
 私は夜風に触れ、気分よく飲んだ。ツマミに何を食べたかは忘れた。近くの安食堂で中年の男と少し話をした時、不景気でボーナスなんかでないよ、ボーナスってなんだっけ、などと言っている人もいた。また、その食堂のたぶん、主であろう人は、TVではボーナスの話をしているけど、俺たちには関係ない、と言っていた。これは冬の旅の時の話だったかもしれない。
 鴨川の川辺には、学生のバンドがギターとアンプを持ち出してきて、フォーク系のどちらかというと静かな曲を弾き語りしていた。数グループがいた。手摺りの石に腰掛けて聴いた。上手い人もいたし、そうでない人もいた。しかし楽しそうだった。自分が弾き語りしてみようとは、思わなかった。少し、酒が入り、いい気分になって引き上げた。

訂正:この文を書いた後、上記の中のコレステロール値のところが何となく気になり、調べてみたら、300を少し切れるくらいであった。400を超えていたのは中性脂肪だった。コレステロール値と中性脂肪を取り違えていたのである・・・・・・しかし、どちらも数値はかなり高く、基準値を超えていて、健康状態はあまりよくなかったようだ。
(1月18日、記す。)



            
            京友禅・着物のファッションショー・華やか



       
       豪華・写真撮影する人が多く見られた


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