土曜日は、雨も降っていなくて
おまけに曇り空だったので、ずっと戸外で菜園の仕事をしていた。
「テッペンカケタカ!」と元気なホトトギスの声が聞こえる。
最初は、和みだね~と心地よく感じていた。
頭上を鳴きながらホトトギスが飛んで行く。
こんな光景ってそうざらにはあるもんじゃない!と
環境の良さを実感し、ますます気分良く、作業の手も進む。
たまにホトトギスの飛び去る方向を眺め
手を休め、体を伸ばす。
こうして観察していたらある事に気がついた。
彼女は(彼?)かなりの広範なテリトリーを
頻繁に移動し、鳴き続けているのだ。
止まり木に止まって、鳴き続ける時間はそう長くはない。
要するに、とにかく休む暇なしに
鳴き続け、移動し続けてるのだ。
託卵と言う、彼らの子孫繁栄の手段故
託卵相手を探すのに必死なのだ。
託卵相手が見つかり、その宿主が巣を開けたとたん
そこに行き、卵を生み、相手の卵を落とす。
一見残酷そうなこの行為も、そうざらに相手が見つかる訳じゃなし
相手に気づかれ、卵を捨てられることも有る。
直ぐ産める体制で、飛び続けるって
本当に酷な、体を酷使しながらの行為だと思う。
そう思い始めると、あの激しく鳴き続けるホトトギスの声が
とても切なく、悲しく響き始めた。
生きるって辛い事だね~。
産むって、ホント命がけだ。
自分の命を削りとりながら、産む。
はるか遠くから飛んできて、
何の因果か巣で育てる事も出来ない習性になり
産むまで必死に飛び続け、飛びながらも、真夜中までもなき続ける…。
短絡的で自分本位な考えで、人を道連れに
殺人を犯す人が多い中…
こんな自然界の厳しい教えを、たたき込みたい!
学校教育、家庭教育で一番大事なことを
教えることなく過ぎてきてしまった結果だろうか…。
今日も鳴いているホトトギス
切ないです。
天気:
