「崖っぷち犬」に思う

「崖っぷち犬」66歳主婦のもとに 徳島で譲渡会(朝日新聞) - goo ニュース

 1月28日の日曜日に、徳島の「崖っぷち犬」の飼い主が決まった。この犬に関しては、引き取りの希望や問い合わせの電話がこれまで109件もあって、日曜日の譲渡会では11人が抽選に参加した。
 崖から降りられずに震えていたあの犬が、これからはあたたかい家庭で愛情を注がれながら暮らしていけるのだから、ほっと心が温まる思いがするけれど、「崖っぷち犬」のほかに譲渡会のあった25匹のうち、17匹は貰い手が決まらなかった。この17匹の中には「崖っぷち犬」の姉妹だと思われる犬も含まれている。
 「崖っぷち犬」にしても、西宮の夙川公園で木から降りられなくなった猫にしても、明らかに「不憫な状態」に置かれた動物には、引き取りたいという申し出がたくさん寄せられる。それは悪いことではないけれど、表に見えないところでは、引き取り手が見つからず、日々多くの不憫な命が奪われている。その数は年間、犬で10万を超え、猫で20万を超える。目をそむけたくなるような数字だけれど、現実である。
「崖っぷち犬」も西宮の猫も、もし崖あるいは木の上から自力で降りることができて、誰の注意も引かなかったならば、その後捕獲され、その他大勢の野良犬、野良猫たちと一緒に、人知れず処分されていた可能性だってある。たまたま不幸な目にあったことが、「崖っぷち犬」とその他の野良犬たちとの運命を分けた。運命は皮肉だ。
 ちらと見ただけなので、誰のどんなブログかは忘れたけれど、このニュースに関するブログで、そこに書き込まれていたコメントが忘れられない。
「毎日処分されていく犬や猫たちを、全部あの崖に並べたい…」と。
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