じっとしてて!

 実家のポチは非常に人懐っこい性格をしていて、呼べば喜んでやってくるし、とにかく身体を触って撫でてもらうことが大好きなので、写真を撮るのはなかなか難しい。可愛いしぐさを写真に撮ろうとカメラを向けても、すぐ足元によってくるから、近すぎてちょっとぼやけた大写しの絵しか撮れないのである。
 数年前に大往生を遂げたクロちゃんという名の猫も、ポチと一緒で写真の撮れない猫であった。クロちゃんはいつも散歩道の途中にいて、道行く人たちの人気者だったのだけれど、一度家のみんなに写真を見せようとクロちゃんの撮影を試みたのだが、離れても離れてもすぐに擦り寄ってくるから、近すぎて顔半分だけの、しかも目が真っ白にとんだ怖い写真しか撮れなかった。
 一方、ネロは擦り寄ってくるわけではないけれど、やっぱりなかなか写真を撮らせてくれない猫で、ボス猫の威厳をたたえてきりっと座っているところを、チャンスとファインダーをのぞいた途端、首をくるっとうしろへ回して背中を舐めたりお腹を舐めたり、ちっともじっとしていない。一種の照れ隠しだったのかしらと思う。
 そんなネロやポチに対し、みゆちゃんはいつもカメラ目線である。いつも注目されたいと思っているから、写真を撮られることが好きなのかもしれない。家族の集合写真を撮ろうと思って、私が息子を、夫がみゆちゃんを膝に抱いてソファに座り、セルフタイマーで撮ったときも、息子よりもしっかりカメラの方を向いていた。
猫の写真に対する考え方も、まったく十猫十色である。


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