昨日、JR名古屋タカシマヤの仕事を終えた私達。今日は一日名古屋でのんびり過ごしました。まず今日、向ったのは自宅からも歩いて行くことの出来る距離の揚輝荘へ。ここは大正から昭和初期にかけて松坂屋の初代社長15代伊藤次郎左衛門祐民によって構築された別荘でもあり、迎賓館でもある場所。現在では敷地のあちこちが切り売りされ、その全貌を見ることは出来ませんが、かつては一万坪を超える敷地に贅をこらした30数棟の建築が配置されていたという名古屋の超お金持ちの「建築道楽」が偲ばれる施設です。
小さな子供だった頃、こっそり忍び込んで遊んだり、今でも度々散歩に訪れる揚輝荘。最近、南園の聴松閣(ちょうしょうかく)の復元を終え、開館したばかり。古い建物大好きな私達は早速出掛けて来ました。
この石造りの松坂屋のマーク、かつては旧館の壁面を飾っていた物だとか。長らく閉鎖されていたこの南園、これを目にするのはこっそり忍び込んだ子供の頃以来です。
この通り弁柄が塗られたハーフティンバー様式の山小屋風。この車寄せは上高地帝国ホテルを模したのだそう。
こつらはかつて舞踏場だった場所。繊細な漆喰細工が印象的です。きっとかつては華やかな光景が繰り広げられたのでしょうね。
舞踏場の脇に作られていた小スペースは何に使われたかは不明。施工主の伊藤次郎左衛門祐民がインド各地を旅したこともあり、この建物は内部がインド風に装飾されています。
揚輝荘内の建物と建物を結んでいたと言われる地下道への入口。今は閉鎖されているそうですが、私達にはまるで過去へとつながるタイムトンネルのように見えました。
インド風の照明器具と壁の壁画。この壁画は当時インドからの留学生がアジャンタの石窟を模して描いたのだそうです。
各部屋にはこのような暖炉が。こちらもインド風の装飾です。
旧応接室。暖炉の周りのタイルが洒落ていて床板の組み方も凝っています。
こちらは旧寝室。こちらだけがシノワズリー風の装飾で何ともエキゾチックです。こんな寝室でいったいどんな夢を見たのでしょう?
窓ガラスの桟もこの通りシノワズリーです。映画の「花様年華」を思い出します。
古い建物のお好きな方にはとってもおすすめ!思いがけずとても面白かったです!各お部屋の説明をして下さるボランティアガイドが方々がとても親切だったのも心に残りました。この聴松閣の復元には何億円もの予算使われ、隣の数寄屋造りの揚輝荘座敷もただいま復元中。名古屋市長が河村たかし市長になってからこうした古き名古屋を思わせる史跡の整備に力を入れているようです。古い建物好きにとっては、こういう目に見える事に税金を使っていただくのは納税者として満足感があるかも。(会社の所在地を名古屋の住所にしている関係で、実は私達、いまだ名古屋に住民票を置いているのです。)
明日は午前10時の新幹線で東京へ戻ります!