さかざきが綴る「アンティークな日々」

アンティークディーラーさかざきがアンティークのこと、日常のことを綴っています。

櫛のお話

2009-05-09 | 日常生活

20090509

 皆さんそれぞれお気に入りのものがあるかと思いますが、私にとってのお気に入り、というか長い時間愛用してきたものにつげの櫛があります。昔々、それはまだ十六の頃に手に入れて以来、いつも、どこに行くのも一緒、必ず毎日髪をとかしてきて、「このまま一生の付き合いになるかも。」と思っていたのですが…。

 そんな矢先、先日の買付けの折、パリのバスルームの堅いタイルの床に落とすアクシデントが。今まで、無意識のうちに少々手荒に扱っても、さほどダメージがないまま、ずっと私の髪の毛をといてくれていたのに、日本と違うフランスの空気に乾燥していたのかもしれません。落とした瞬間、打ち所が悪かったのか、パシッと真っ二つに折れてしまいました。

 びっくりしたのとショックな気持ちと半々のまま、とてもそのまま捨てる気持ちにならず、真っ二つのまま日本に持って帰ってきました。とはいっても、折れたまま使うわけにもいかず。そんな時、インターネットは便利ですね。あちこち検索するうちに、今までの櫛を入手した先と同じ島崎藤村でも有名な木曽の山の中、そちらのネットショップにほとんど同じものを発見しました。今までのものと比べてみると、長さも同じなら、櫛の数も一緒、もちろん櫛の隙間も同じです。おまけに私の記憶に間違いがなければ、昔入手したときとお値段もほとんど一緒。

 早速注文し、今日手元にやってきました。今までの櫛と比べてみると、寸分の違いもないくらい一緒、元から持っている方の「本つげ」の文字はほとんど消えかけてしまいましたが、艶やかな木目の質感も一緒、まるで兄弟か親子のようです。またこのくしを椿油に浸して、少しずつ色が付いてくるのも楽しい。また一からのお付き合いとなりそうです。やっぱり、アンティークでも何でも、別に高価でなくとも、長くお付き合いできるものが良いですね。

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