先日出店しました西武池袋本店「暮らしの中の骨董マーケット」の店頭で、お客様に「トワル・ド・ジュイって、トワル・ド・ジュイ社の布ですか?」とお尋ねいただいたのですが、そうではありません。「トワル」は「布」、「ジュイ」は地名で「ジュイ村」のこと。つまり「ジュイ村の布」の意なのです。(拍子抜けしてしまうほど簡単ですね!笑)この生地もトワル・ド・ジュイの一枚です。
以前、ジュイのトワル・ド・ジュイ博物館にも訪れたことがありますが、発祥は18世紀半ば、ヨーロッパに流入してきたインド更紗に影響を受け、パリの郊外ジュイ・オン・ジョザスにフランス系ドイツ人オベルカンプ(その名前はパリのメトロの駅名にもなっていますね。)により製造所が作られました。芸術家による絵柄を銅版画手法で精巧にプリントしたものが人気を博し、生成のコットン地に田園風景や貴族などの人物、神話などのモチーフを、赤、ブルー、グリーン、紫、グレイ、黒などの単色でプリントしたものが知られています。フランスならではのクラシックなコットンテキスタイルです。
お客様からお尋ねいただいて、素晴らしい18世紀のトワル・ド・ジュイが沢山飾られていたトワル・ド・ジュイ博物館の様子を思い出しました。(博物館のカタログもありますのでお店でご覧いただけますよ。)ヴェルサイユからもほど近く、パリから日帰りで遊びに行くのにぴったりな博物館です。また、自由に海外に行くことが出来るようになったら、足を伸ばしたいです。(残念ながら、現代ではジュイではまったく生地は作られていないのだそうですが、博物館の側には素敵な生地のお店もありましたよ!)