さかざきが綴る「アンティークな日々」

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今週のおすすめ!アランソンの婚礼衣装用ボーダー

2021-01-10 | アンティーク

 今年初めての「今週のおすすめ」は、私のお気に入りでもある婚礼用の広巾アランソンレースのボーダーです。19世紀のアランソンレースは、同時期にベルギーで作られたニードルポイントレース、ポワン・ド・ガーズに比べてぐっと希少。(18世紀にはフランスで沢山作られていたアランソンレースですが、フランス革命と共に廃れ、その後、復活したのはナポレオンが国の威信を高めるために、贅沢産業の復興に努めたからです。)特にこれほど広巾のボーダーの実物を目にしたのは、以前、服飾関係の展示の際にパリの装飾美術館に貸し出されていたアランソンの芸術とレース博物館の収蔵品ぐらいでしょうか。(以前から気になっていたものの、この博物館にはまだ足を踏み入れたことがないので、「コロナ禍の後は必ず行ってみよう!」と思っているミュージアムのひとつです。)実際に手に入れたのはもちろん初めてです。

 角笛から花々がギリシャ神話に由来する「豊穣の角」の模様が連なる興味深いレースで、「豊穣の角」は「コルヌコピア」とも呼ばれる角笛から花々がこぼれるモチーフで、「豊穣」の印。もう一つの釣り鐘形のお花モチーフはドウダンツツジ?と思うのですが、いかがでしょう?(ちなみにドウダンツツジの学名「Enkianthus(エンキアンサス)」は、ギリシア語の「enkyos(妊娠)」と「anthos(花)」を語源としていることからあながち間違っていないかもしれません。植物に詳しい方!どなたかこの植物についてお分かりになる方がいらっしゃいましたら、お教え下さいませ!)巾28cm、婚礼用のドレスを飾ったと思われる豪華なボーダーです。

ちなみにこちらはアランソンの芸術とレース博物館の動画。アランソンレースの作り方も紹介されています。

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