ヘコまされた被害者&その家族と不登校児童・生徒&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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相続時精算課税制度への誤解

2020年07月07日 06時59分10秒 | 相続
 相続時精算課税制度について,誤解している人が多いので,ここで説明します。
 相続時精算課税制度は,相続税の節約に資するモノではないということです。これを押さえておいてください。
 この制度を解説するためには,相続税と贈与税の関係から説き起こす必要があるのですが,相続時精算課税を選択した場合の贈与税の計算を具体例(国税庁のHPより)で説明すると次のとおりとなります。

例: 父及び母から生前贈与を受け、父からの贈与について相続時精算課税を選択する場合
(1年目)
父から1,000万円、母から400万円の贈与を受け、父からの贈与について相続時精算課税を選択する。
(1)父からの贈与
<課税される金額の計算>
1,000万円 - 1,000万円(特別控除額) = 0
<翌年以降に繰り越される特別控除額の計算>
2,500万円 - 1,000万円 = 1,500万円
(2)母からの贈与
<課税される金額の計算>
母からの贈与については、相続時精算課税を選択していませんので、2,500万円の特別控除額ではなく、110万円の基礎控除額を受贈額より控除します。
400万円 - 110万円(基礎控除額) = 290万円
<贈与税額の計算>
290万円 × 15% - 10万円 = 33.5万円
(2年目)
父から1,000万円の贈与を受ける
<課税される金額の計算>
1,000万円 - 1,000万円(特別控除額) = 0
<翌年以降に繰り越される特別控除額の計算>
1,500万円 - 1,000万円 = 500万円
(3年目)
父から1,000万円の贈与を受ける。
<課税される金額の計算>
1,000万円 - 500万円(特別控除額) = 500万円
<贈与税額の計算>
500万円 × 20% = 100万円(贈与税額)
 相続時精算課税を選択した場合、その後の撤回はできません。また、相続時精算課税の特別控除を受けるためには、贈与税の期限内申告が必要です。
 なお、相続時精算課税を選択した場合、その選択に係る贈与者(上記の例では父)が死亡したときの相続税の課税価格に、その贈与者から贈与により取得した財産の贈与時の価額を加算することとなります。
 上記の例では父から贈与を受けた財産の合計額3,000万円を父が死亡したときの相続税の課税価格に加算することとなります。
 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4409.htm
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