一昨日,『組織罰を実現する会』の会議に,現代人文社の創業者である成澤壽信さんに参加していただきました。
というのも,『組織罰を実現する会』が組織罰に関するブックレットを現代人文社から出版する(4月中旬の予定)ので,その打ち合わせをしたからなのです。
その時は,成澤さんのことをほとんど知らなかったのですが,その後,調べてみると,我々の業界の人間なら誰でも知っている雑誌『法学セミナー』の編集長をされた後,以下のご本人の答えのように,刑事弁護の専門誌をつくろうと独立して,現代人文社を創立されたそうです。
Q.どうして独立されたのですか?
成澤さんのA.冤罪との出会いが大きかったですね。80年代はじめには、免田事件など死刑四事件がすべて再審で無罪になったんです。そこで、冤罪の原因と責任がどこにあるのかに興味をもち、いろいろ調べました。その成果は『法学セミナー 増刊日本の冤罪』(一九八三年刊)として出版しました。そこでわかったことは、もちろん誤ったのは裁判官ですし、誤った起訴をしたのは検察官でそれぞれに責任があります。しかし、弁護人(弁護士)にも問題があった。個々の弁護活動が不十分であったということもありますが、問題は、捜査段階で弁護人がついていなかったため、被疑者が弁護人の援助を十分受けることなく有罪になったケースが多かったということです。日本の刑事裁判は、捜査段階でほとんど勝負がついてしまう現状があります。独立する前あたりから、これを何とかしないといけないと、日弁連を中心に被疑者国選弁護人制度を導入しようと、「当番弁護士制度」を立ち上げて活発な運動を展開していました。ちょうどそのころ、刑事弁護に関する的確な情報を発信するメディアはなかったので、刑事弁護の専門誌をつくろうと決めました。わりと悩まないで独立しました。
現代人文社,初めて刑事弁護人となった弁護士に向けた『刑事弁護ビギナーズ』を出版しているのですが,私は,成澤さんに,『犯罪被害者支援ビギナーズ』の出版をお願いしたいです。