昨日は,ある公立大学の医学部付属病院で,左目に異物が入っているということで処置を受けたところ,快復不可能となって,結局,その日に,その左目の眼球摘出手術をされた人からの相談がありました。
相談者としては,その手術へ移行する際の説明が不十分だったということで,その病院を訴えたいそうです。
ところが,相談者が持参された,病院から開示された医療記録一式のなかには、手術およびそれに関連する医療行為への同意書があり,その同意書には,その相談者のサイン(署名)があったのです。このような場合,患者(相談者)は,医師から説明を聞いた上で納得して署名したとみなされるため,よほどのことがない限り,説明の不十分な点をとらえて病院の責任を追及することは困難です。
そこで,仮に,最初の医師の処置にミスがあり,そのために,眼球を摘出せざるを得なくなったという事情があれば,病院の責任を追及できますと,相談者には説明しました。
この件もそうですが,治療行為は密室で行われるために,事後の検証が難しく,そのため,医師や病院の責任も不明のままであることが多いのです。
患者の立場からすると,すべて治療行為の可視化を法律で義務付けるようするしかないのでしょう。
相談者としては,その手術へ移行する際の説明が不十分だったということで,その病院を訴えたいそうです。
ところが,相談者が持参された,病院から開示された医療記録一式のなかには、手術およびそれに関連する医療行為への同意書があり,その同意書には,その相談者のサイン(署名)があったのです。このような場合,患者(相談者)は,医師から説明を聞いた上で納得して署名したとみなされるため,よほどのことがない限り,説明の不十分な点をとらえて病院の責任を追及することは困難です。
そこで,仮に,最初の医師の処置にミスがあり,そのために,眼球を摘出せざるを得なくなったという事情があれば,病院の責任を追及できますと,相談者には説明しました。
この件もそうですが,治療行為は密室で行われるために,事後の検証が難しく,そのため,医師や病院の責任も不明のままであることが多いのです。
患者の立場からすると,すべて治療行為の可視化を法律で義務付けるようするしかないのでしょう。
今日は,弁護士に相談したくとも,病気のために外出できない人のお家に出かけて,法律相談を行ってきました。
その中で,その相談者が,私の名刺に書かれている事務所のeメールアドレスがGメールであることを「安物」と表現したのを聞いて,吹き出しそうになりました。
確かに,グーグルのGメールは無料ですが,意外と便利なところがあり,最近,当事務所の正式eメールアドレスにしたのです。
なお,今日の相談者,弁護士会から無料の法律相談を提供されていることについて,私に対して,感謝の素振りすらありませんでしたが,この点については,想定の範囲内のことだったので,特に何とも思っていません。
その中で,その相談者が,私の名刺に書かれている事務所のeメールアドレスがGメールであることを「安物」と表現したのを聞いて,吹き出しそうになりました。
確かに,グーグルのGメールは無料ですが,意外と便利なところがあり,最近,当事務所の正式eメールアドレスにしたのです。
なお,今日の相談者,弁護士会から無料の法律相談を提供されていることについて,私に対して,感謝の素振りすらありませんでしたが,この点については,想定の範囲内のことだったので,特に何とも思っていません。
昨年の9月17日,大阪地方裁判所に提訴し,その後,12月,さらに今年の3月に追加して提訴した事件の第1回裁判が,ようやく9月18日に決まりそうです。
訴状を提出してから1年間も何をしていたのだ,と原告の皆さんから叱られるかもしれませんが,その辺りの事情は,来月の第2回原告団総会で説明します。
とにかく,裁判の日程がようやく見えてきたので,私としては盛り上がりつつあります。
訴状を提出してから1年間も何をしていたのだ,と原告の皆さんから叱られるかもしれませんが,その辺りの事情は,来月の第2回原告団総会で説明します。
とにかく,裁判の日程がようやく見えてきたので,私としては盛り上がりつつあります。
京都新聞によると
『福島第1原発事故で福島県内から京都市内へ自主避難し、東京電力に損害賠償を求めて京都地裁へ提訴した40代男性が賠償金の仮払いを申し立てた仮処分の決定で、京都地裁(佐藤明裁判長)が東電に月額40万円の支払いを命じたことが25日、分かった。決定は20日付。東電によると、原発事故賠償で裁判所が避難者への仮払いを命じる仮処分決定を出すのは全国初。
男性の代理人弁護士は「長い裁判を見据えると、生活維持のために不満でも低い賠償額をのまざるを得ない避難者は多いはず。こうした決定があれば、納得のいく解決を裁判で探れる」と評価した。
決定では「男性の休業損害は事故と因果関係がある」と認定した。東電は、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の指針で損害項目に就労不能損害が挙がっておらず「因果関係なし」と主張したが、佐藤裁判長は同指針の「個別具体的な事情に応じて因果関係を認め得る」との基本姿勢に触れ、「自主避難の損害と事故の因果関係は事案ごとに判断すべき」と指摘した。
その上で、避難前は会社経営していた男性にとって少なくとも約1200万円の休業損害が「原子力損害」に当たると算出した。事故が原因で精神疾患になったとする男性の主張を認め、男性と子育て中の30代の妻は無職無収入で就労が難しいことから今年5月から1年間、月額40万円を支払う必要性を認めた。
申立書などによると、男性は妻と幼児ら3人の5人家族で福島県の避難指示区域外から避難し、昨年5月に約1億3千万円の損害賠償を求め提訴。同12月、「仮払いがないと生活を維持できない」として仮処分を申し立てた。東電は答弁書で「自主避難者への公平な基準で賠償済み」などとして却下を求めていた。
上記弁護士によると、男性の妻は「ほっとしている。ただ、1年先からの生活には不安が残る」と話したという。東京電力は「個別事案の対応に関する詳細は回答を差し控える。決定内容を精査し、真摯(しんし)に対応する」とコメントした』そうです。
この記事では,国から避難指示が出た地域以外の地域からの避難を「自主避難」と書いていますが,「自主」と言っても決して自分の意思だけで避難してきたわけでなく,特に子供への放射能汚染を心配して避難せざるを得なかったのです。その意味では,自分で決めた避難ではないのです。したがって,「自主避難」と言うな,とずっと言っているのですが,京都新聞にはそのことがいまだに理解できていないようです。
それはともかく,仮処分とはいえ,賠償請求が認められた意義は大きいです。なぜなら,国は,避難指示が出された区域以外は,安全だと言い続けているからです。
『福島第1原発事故で福島県内から京都市内へ自主避難し、東京電力に損害賠償を求めて京都地裁へ提訴した40代男性が賠償金の仮払いを申し立てた仮処分の決定で、京都地裁(佐藤明裁判長)が東電に月額40万円の支払いを命じたことが25日、分かった。決定は20日付。東電によると、原発事故賠償で裁判所が避難者への仮払いを命じる仮処分決定を出すのは全国初。
男性の代理人弁護士は「長い裁判を見据えると、生活維持のために不満でも低い賠償額をのまざるを得ない避難者は多いはず。こうした決定があれば、納得のいく解決を裁判で探れる」と評価した。
決定では「男性の休業損害は事故と因果関係がある」と認定した。東電は、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の指針で損害項目に就労不能損害が挙がっておらず「因果関係なし」と主張したが、佐藤裁判長は同指針の「個別具体的な事情に応じて因果関係を認め得る」との基本姿勢に触れ、「自主避難の損害と事故の因果関係は事案ごとに判断すべき」と指摘した。
その上で、避難前は会社経営していた男性にとって少なくとも約1200万円の休業損害が「原子力損害」に当たると算出した。事故が原因で精神疾患になったとする男性の主張を認め、男性と子育て中の30代の妻は無職無収入で就労が難しいことから今年5月から1年間、月額40万円を支払う必要性を認めた。
申立書などによると、男性は妻と幼児ら3人の5人家族で福島県の避難指示区域外から避難し、昨年5月に約1億3千万円の損害賠償を求め提訴。同12月、「仮払いがないと生活を維持できない」として仮処分を申し立てた。東電は答弁書で「自主避難者への公平な基準で賠償済み」などとして却下を求めていた。
上記弁護士によると、男性の妻は「ほっとしている。ただ、1年先からの生活には不安が残る」と話したという。東京電力は「個別事案の対応に関する詳細は回答を差し控える。決定内容を精査し、真摯(しんし)に対応する」とコメントした』そうです。
この記事では,国から避難指示が出た地域以外の地域からの避難を「自主避難」と書いていますが,「自主」と言っても決して自分の意思だけで避難してきたわけでなく,特に子供への放射能汚染を心配して避難せざるを得なかったのです。その意味では,自分で決めた避難ではないのです。したがって,「自主避難」と言うな,とずっと言っているのですが,京都新聞にはそのことがいまだに理解できていないようです。
それはともかく,仮処分とはいえ,賠償請求が認められた意義は大きいです。なぜなら,国は,避難指示が出された区域以外は,安全だと言い続けているからです。
http://soudan.osakaben.or.jp/himawari/01.php
大阪弁護士会では,高齢者と障害者向けの「ひわまり法律相談」を行っており,出張相談も受け付けています。
今日,私に,その出張相談の配点が弁護士会からありました。相談者は,障害のために家から出れないということで,出張相談を希望されたのです。
この相談は,法律相談料と交通費の実費のみで行います(出張日当なし)ので,気楽に申し込んで欲しいです。
大阪弁護士会では,高齢者と障害者向けの「ひわまり法律相談」を行っており,出張相談も受け付けています。
今日,私に,その出張相談の配点が弁護士会からありました。相談者は,障害のために家から出れないということで,出張相談を希望されたのです。
この相談は,法律相談料と交通費の実費のみで行います(出張日当なし)ので,気楽に申し込んで欲しいです。
今日は,午後,弁護士会館において法律相談を担当する予定でした。
しかし,相談予約者がゼロということで,相談自体がキャンセルとなってしまいました。
最近,弁護士会が行っている有料法律相談への申込者が激減しているとは聞いていましたが,そのことを実感しました。
弁護士会としても,無料法律相談を府下の特定の場所においては実施しています。
私は,法律相談はサービス業たる弁護士にとっては最も基本となる「商品」のはずで,試供品なら無料配布することも構いませんが,「商品」を無料配布することは弁護士という職業を否定することになると思います。
しかし,相談予約者がゼロということで,相談自体がキャンセルとなってしまいました。
最近,弁護士会が行っている有料法律相談への申込者が激減しているとは聞いていましたが,そのことを実感しました。
弁護士会としても,無料法律相談を府下の特定の場所においては実施しています。
私は,法律相談はサービス業たる弁護士にとっては最も基本となる「商品」のはずで,試供品なら無料配布することも構いませんが,「商品」を無料配布することは弁護士という職業を否定することになると思います。
ヨミウリオンラインによると
『石巻市立大川小の児童23人の遺族が起こした損害賠償訴訟の第1回口頭弁論が19日、仙台地裁で開かれ、被告の市と県側は自らの責任を否定し、遺族側との対立が鮮明になった。今後、焦点となるのは、教諭らがなぜ児童を45分間も校庭に待機させ続けたのか、当時の状況と理由の解明だ。この「空白の45分間」を解き明かし、被告の過失を認めてもらおうと、遺族側は生き残った教諭の証人尋問と、裁判官の現地視察を地裁に求めた。
「天災であり、(待機させた)教諭に過失はない。大津波を予見できなかったのもやむを得ない」。提出した答弁書で、市側はこう述べ、地震発生前後いずれの時点でも、遺族側が主張する津波の予見可能性を否定する。
根拠に挙げたのは、県の2004年の想定に基づいて市が作成したハザードマップなどだ。大川小は津波の浸水域とは書かれておらず、「教諭はマップを信頼、依拠していた」とした。
【中略】
また、これまでの津波訴訟でも多く採用されている裁判官による現地視察も行われる可能性が高い。遺族側は準備書面で、視察の日程を来年3月11日にするよう求めた。弁護士は「(震災当日に)最も近い状況を感じ取れるのではないか」とその理由を語った』そうです。
原告は,宮城県が根拠に挙げるハザードマップを徹底的にたたくべきです。貞観津波(869年)の知見が反映されていないから,役に立たない,それを改訂せずにいたことが過失だ,と。
なお,裁判官に現場検証してもらう日は,来年の3月11日でなく,もっと早期にすべきでしょう,早期に事件現場を見てもらうことこそ重要なのです。
『石巻市立大川小の児童23人の遺族が起こした損害賠償訴訟の第1回口頭弁論が19日、仙台地裁で開かれ、被告の市と県側は自らの責任を否定し、遺族側との対立が鮮明になった。今後、焦点となるのは、教諭らがなぜ児童を45分間も校庭に待機させ続けたのか、当時の状況と理由の解明だ。この「空白の45分間」を解き明かし、被告の過失を認めてもらおうと、遺族側は生き残った教諭の証人尋問と、裁判官の現地視察を地裁に求めた。
「天災であり、(待機させた)教諭に過失はない。大津波を予見できなかったのもやむを得ない」。提出した答弁書で、市側はこう述べ、地震発生前後いずれの時点でも、遺族側が主張する津波の予見可能性を否定する。
根拠に挙げたのは、県の2004年の想定に基づいて市が作成したハザードマップなどだ。大川小は津波の浸水域とは書かれておらず、「教諭はマップを信頼、依拠していた」とした。
【中略】
また、これまでの津波訴訟でも多く採用されている裁判官による現地視察も行われる可能性が高い。遺族側は準備書面で、視察の日程を来年3月11日にするよう求めた。弁護士は「(震災当日に)最も近い状況を感じ取れるのではないか」とその理由を語った』そうです。
原告は,宮城県が根拠に挙げるハザードマップを徹底的にたたくべきです。貞観津波(869年)の知見が反映されていないから,役に立たない,それを改訂せずにいたことが過失だ,と。
なお,裁判官に現場検証してもらう日は,来年の3月11日でなく,もっと早期にすべきでしょう,早期に事件現場を見てもらうことこそ重要なのです。