今まで秋田車両センターに入場していたE653系電車が、国鉄特急色(風?)になって出場し話題となっている。JR貨物の機関車が次々と国鉄色へと返り咲いている中、E653系が今度は伝統ある電車特急のクリームと赤のツートーンで出場したとのこと。特に深い意味などはなく、ブームに乗って塗り替えたということなのか。今のところ定かではないが、新しいバリエーションとしてファンの間でも話題になることは間違いないところだ。
一時、最後の国鉄特急型とされる185系も80系に似せた湘南色になったり、157系を真似た通称「あまぎ色」になり世間を騒がせた時期があったが、ちょうどそんな感覚で今回登場したと言ってもいいのではないか。羽越線を走る「いなほ」等に使用されると思いきや、水戸に転属し臨時使用とのことだから、この手がお好きな電車ファンには目の離せない存在になるのではないか。アントンKもお目にかかれることを心待ちにしているところだ。
掲載写真は、また時代もので恐縮だが、国鉄特急色の元祖とでも言うべき485系の「ひばり」。アントンKにとっては、この「ひばり」そして「とき」、「あずさ」が最も特急色の電車としては思い入れが深い列車なのだ。最も写真撮影に燃えていた時期に、一番身近に走っていた特急電車ということになるのだろう。こうして当時の写真を見返しても、国鉄型電車にはどこか「華」があり、質実剛健で特急たる風格がにじみ出ていた。今の特急型電車との最大の相違はこの部分にあり、残念だが目に見えないところで夢を描ける特急電車は無くなってしまった。
1982-03-17 特急「ひばり」 485系13連 東北本線:藤田-貝田にて