東京に生まれ育ち、興味を持った最初の鉄道は地元の電車だった。幼児の時代から電車で通園していた時代だから、毎日乗る電車に興味をもつのは当たり前かもしれない。今でも不思議とその当時の光景が思い出せるから、やはり自分には強烈な印象だったのだろう。そんなおぼろげな想いから鉄道模型へと興味が移り、そして写真の世界へ向かっていった。蒸機には間に合わなかったが、当時の機関車や電車には全て興味があった。当然ながら身近な鉄道は、直流区間だったから、初めて交流機を見た時はとても新鮮に感じたことが思い出せる。真っ赤な機関車が重連で目の前を駆け抜ける姿は、アントンKを一気に虜にしたのだった。それ以来、機会を見つけては交流機も大事なターゲットに変わった。
今回は、そんな想いが心を支配し始めた、80年代初頭に撮影したED71を掲載してみる。この時代は、ED71 にとっては最後の活躍を見せている時代で、その後ダイヤ改正ごとに運用が減少していった記憶が残っている。北陸線を走ったED70には間に合わなかったが、その面影の残るED71は、ちょうど直流機のED60とかED61のようなスタイル。端正な顔立ちが好きで、屋根上の機器も目一杯にぎやかでとても魅力的だった。写真は、貝田の坂を下りてきたED71重連の貨物列車。
1982-03-17 5680ㇾ ED7152+11 東北本線:貝田-藤田