「鳥海」という列車名に対し、東北には圧倒的に歴史があり、またとても美しい列車名の特急が走っていた。二羽の鶴、「ゆうづる」と「はくつる」のことだ。アントンKは、この列車名には当時から思い入れがあり、東海道線のブルトレ達と並んでいつも撮影をそそる列車だったのである。
特急「はくつる」は、蒸機の時代から存在した列車であり、アントンKが撮影を始めた時代(1970年代中盤)には、客車列車ではなく、583系電車で運転されていた。それも2往復運転され、北海道へのアクセスに従事していた列車だった。東北新幹線の北伸とともに常磐線経由の「ゆうづる」は消えていったが、東北本線を走破していた「はくつる」は、何とブルートレインに返り咲き我々ファンを虜にしたのだった。13連の583系で驀進していた「はくつる」もアントンKにはとても魅力的だったが、あの美しい伝統あるヘッドマークを掲げたブルトレの「はくつる」は、圧倒的な存在感でファインダーの中へ飛び込んできた。
写真は、夜明け間もない好摩の築堤を北へと急ぐ特急「はつくる」。今回はヒサシのないEF8187けん引の画像を掲載する。車体の赤と、そしてマークのブルーのコントラストが美しい。
197-04-26 11ㇾ EF8187 特急「はくつる」 JR東日本/東北本線:好摩付近