普段通りのありふれた光景でも、時の流れとともに知らず知らずに変わっていることがよくある。この前感じた渋谷駅周辺のように、激変してしまったのなら半ば諦めもつくが、自分にとって何気ないちょっとした小さなことでも、それに気が付いた時の心のショックは果てしなく大きいものだ。大事なことは、それに気が付く心の余裕があるかどうか・・美しいと思える心があるかどうかだろう。現実の日々の流れに飲み込まれて、何を見ても聴いても感じなくなったらお終いなのだ。
上野と尾久の間で、昔から当たり前に行われている推進回送列車。客車列車がほぼ無くなった現在、こうした名物とも言えた列車が消えてしまった。上野駅では機関車の推進回送もまたここの風情と呼べたはず。古い画像からそんな想いが蘇る。
掲載写真は、音もなく静かに近づいていた20系「ゆうづる」の推進回送列車。最後部にはEF80が付いている。20系客車でも、丸い緩急車のナハネフ22だけではなく、貫通型の場合もあったのだと再確認している。写真は改造車のナハネフ21。
1976-08-21 回5008ㇾ ゆうづる ナハネフ2153 東北本線:尾久付近にて