かつて、ジョイフルトレインと称して全国に特別仕立ての客車が配属されている時代があった。国鉄がJRに変わり90年代を迎える頃がピークだったように思うが、品川に14系客車を洋風サロンカーに改造し展望車まで付けた「サロンエクスプレス東京」に始まり、大阪は、「サロンカーなにわ」、名古屋は「ユーロライナー」といったものから、国鉄時代から継承したような、純粋なお座敷客車が次々デビューした。
当時には、現在のようにジョイフルトレインのほとんどが電車化されておらず、機関車牽引の客車列車であったため、走行線区により、色々な機関車が牽引する魅力があった。直流区間、交流区間でカマが変わったり、非電化では当然DL牽引、場合によっては、その重連となるのだ。普段見ることのできない機関車と客車との組み合わせが、その日限りで実現し、希少性から大変撮影意欲をかきたてられたものだった。そんな客車のジョイフルトレインの中で、今にして思えば、このジョイトレブームの後半に、品川のスロ62系(シナ座)を改造して水戸区に配置されたお座敷列車「ふれあい」がアントンKはお気に入りであった。幼少の頃から一般型客車の中では、屋根が低くてクーラーが目立つこのスロ62系が好きで憧れていたのだ。この水戸区に配置された「ふれあい」は、外観は、それまでのブルーに細い白線から、茶色にグリーン車を現すグリーン帯に変更され、グッと魅力的に思えた。廃車されるまであまり長くはなかったように思えるが、当時出来る限り、この「ふれあい」(通称ミト座)を追って、色々な機関車との組み合わせを楽しんだものだ。
そんな中、首都圏ではやはりゴハチとの組み合わせが話題となり、その姿を各地で求めたが、掲載写真はEF5889牽引のもの。このミト座は、暖房用発電機等がないため、冬場は、機関車からの供給に頼わざるを得ず、電機暖房装置の付いたEF5889が指定されていたように記憶している。
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1989(H2)-11-22 9301レ EF5889 スロ62系(ミト座敷) JR東日本/東海道本線:平塚-茅ヶ崎
Nikon F3P MF Nikkor 135mm f/2S PKR
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