昭和30年代に流行った鉄道車両の顔には、2枚窓を持つものが多いことに気づく。もっとも代表的なものとして、国鉄70系や80系電車の顔を思い浮かべるファンも多いのではないだろうか。
アントンKにも、どこか昔から親しみが沸き、愛着すら感じる前面スタイルなのだが、その訳は、幼少の頃から最も身近な鉄道が、この湘南型2枚窓だったからに他ならない。京王帝都電鉄(現在の京王電鉄)井の頭線は、当時はデハ3000系が主力であり、ラッシュ時に現れるデハ1000系、1900系をもこの前面2枚窓形状だった。この顔をいつも見て学生時代を送っていたのである。
当時このスタイルは、かなり斬新だったと思われるが、京王に限らず、全国の私鉄にまで影響を与えた前面スタイルは、それ以後あっただろうか。思えば、あのEF58でさえ、この正面2枚窓のスタイルではないか。実に個性的だが、未だに憎めない愛着の沸く顔に思えるのである。
今回は、東海道線を往く80系普通電車。ろくな写真が残っていないのでどうかご容赦。長大編成で釣りかけモーター音全開で驀進する80系は、当時は異彩を放っていたと思う。もっと乗車しておけば良かったと今でも悔いが残る。
1975-12-06 821M Tc86354 東海道本線:大森付近
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