まさか旅客会社から機関車が消えてしまう時代が来るなんて思いもしなかった。
今でも発行されているかもしれないが、昔は国鉄車輛配置表というハンドブックが毎年発売されていて、よく購入しては全国の車両番号とにらめっこしたものだった。鉄道模型が主体だった時代は特にそうで、列車の編成と車番を確認しながら、自分の愛車を決めたもの。稀に実車に巡り合うと妙に嬉しかったものだった。鉄道趣味の主体が写真に移行してからも、機番の確認や撮影管理上、配置表は重宝した。あの時代を思うと、何という機関車の衰退だろうか。全国に配置されていた機関車たちも、機関区そのものが消滅してしまい、電車区(現代では車両センターというのか?)の片隅にひっそりと佇んでいる印象をもってしまう。そもそも客車がほとんど消滅してしまった現在、残存させる理由は見つからないから、辛い現実を認めざるを得ないのである。機関車ファンの最期の砦は、やはり貨物会社ということになりそうで、本来あるべき鉄道の底力を世間に知らしめて欲しい。最近は特にそんな想いが湧き上がっている。
掲載写真の時代は、今にして思えばまだまだ機関車天国だった。当時米原機関区のEF58は、午後上京してくる唯一の定期列車があり、米原区のゴハチ狙いには欠かせない列車だった。ただ、東海道線を午後上るスジだから、都内近郊ではどこでも光が悪く、撮影には不向きだったことを思い出す。これは、大井町ホーム先端から、太陽に向かって撮影したとんでもない画像。今のデジタル技術でかなり補正している。こんな列車が、毎日走っていた時代。気が付けばあっという間に過ぎてしまった。
1978-11-19 荷36列車 EF58 118 東海道本線:大井町
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