10系客車シリーズも佳境に入ってきた。ほかの列車に対して最も寝台車が長く、見ごたえ十分な編成を保った急行「能登」。この列車名自体は、晩年489系特急電車を使って、特急「北陸」や「あけぼの」とともに東上していたから、記憶にも新しいはずだ。
アントンKにとって急行「能登」を振り返ってみると、この時代に早朝上ってくる急行寝台列車、「津軽」「鳥海」「越前」「十和田」「おが」、そして「能登」のうち、一番撮影したかったのが今回の「能登」だったように思う。10系寝台好きには当然だが、編成の半分が寝台車とグリーン車であり、これが解るように撮影することに苦労した覚えがある。昔から編成に架線柱が掛かる構図は好まず、いわゆる「カブリ付き」が多かったが、このカブリ付きで撮影すると、編成全体が見渡せず、せっかくの10系編成がよく写らないので、おのずと撮影ポイントも限られてしまい、残された画像は同じ場所、同じ構図が多くなってしまっている。夏場でないと撮影は難しく、かつこういった拘りを満たすポイントは限られていたのだ。
今回の掲載写真は、80年代に一番通ったポイント南浦和付近。ここは記録写真として残すに最も適していると考えていたが、中線2本を走る京浜東北線に、何度喰われたことか・・・いつの時代も撮りたい列車に邪魔が入ると、血の気が引くもの。諦めが悪いアントンKは、血の気の多いリピーターに変身するのであった。
1982-05-03 3604ㇾ EF641020 急行「能登」 東北本線:南浦和付近
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