最初から好きでずっと追いかけてきた訳ではない。むしろEF64 1000番台は、アントンKにとって異質な電機に思えた。EF64と言えば、0番台が山男ロクヨンとして君臨しているではないか。1000番台がデビューの頃は、0番台も何台か上越線に来ていたが、あくまでも出稼ぎのイメージが強かったように感じていた。中央線を重連で走るイメージがあったからだろう。それに当時から今でもロクヨンは0番台の方が好みなのだ。ロクヨンを名乗る割には、車体が長く大きくサイドのデザインも非対称になり、何だか別の機関車に感じたもの。ただデビュー仕立てで、まだ新車のロクヨンセンは、古武士EF16をフォローするがごとく、見たこともない光と響きを放ち、新たな魅力を醸し出していたように今は思える。
デビューを間近で見て、そして全廃を近い将来迎えそうな国鉄型電機は、アントンKにとってこのEF64 1000番台のみだから、そういった意味では、ほかの電機とは思い入れが違って感慨も深くなるのである。
今回は、EF64 1000番台がデビューしていよいよ定期運用に入り出した時代の画像を掲載しておきたい。上越線で性能試験列車が走った日に石打でバルブした懐かしい画像。この時はEF16の代わりに先頭に立ったEF64 1001だから、心境は何とも穏やかではなかったはず。この地では見慣れないシールドビームが眩しかった。
1980-09-10 660レ EF64 1001+EF15 191 石打にて
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