最後に掲載するのは、離合写真の中でも忘れることの出来ない1枚を出してしまおう。
寝台列車の撮影を中心に据えていた時代、東海道線から九州ブルトレが撤退してしまうと、自然と北側へと足が向いてしまうのは自然な成り行きだった。それまでのけん引機関車が、EF81から新鋭のEF510 500番台へとスイッチしたり、海峡線でのED79や、道内のDD51重連けん引は、アントンKにとっては被写体として申し分ないものに感じていたからだ。本州内は青森を、道内は函館を起点に据えて、何度となく通った時代がとても懐かしく感じてしまうが、有名撮影地と言われるポイントだけでは物足りず、回を重ねるうちにロケハンも進み、好みのポイントの発見にも心躍った物だった。ここはそんな無名なポイントでの出来事だった。付近には人工物が見当たらず、ただ真っすぐ直線が複線で伸びていて、何とも北海道を感じた場所だったのだ。ベストのコンディションで列車を待ち、DD51のヘッドライトが見えてきたその時、背後から忍び寄る単行キハ。ダイヤ上、ここでバッテン(すれ違う)だったことは、後から解ったことだった。撮影直後は、後味の悪い気分に落ち込んだが、次への闘志が煮えたぎってしまったこともまた事実。急遽スケジュールを変更し再度この線路端に立ったことは、ここだけの話として欲しい。
あれから8年以上の歳月が経ち、当時の心の葛藤も消えてしまったが、今振り返れば、北海道を代表する国鉄車両たちの並びとして受け入れられる気持ちに変わっている。
2014-08-02 8002ㇾ 函館本線:北豊津付近
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます