ヘッドマーク復活以前の寝台特急「あけぼの6号」。
国鉄がJRになる2年前の1985年になって、全国的にブルトレけん引機にヘッドマークを装着することとなった。実際には、九州内のブルトレが一番先に復活を果たし、独自のおわん型のマークがお目見えすることになる。やはりこうなると、アントンKは、今までのブルトレ撮影はいったい何だったのか、との思いが強くなり何ともやり切れず、全て撮り直しの気持ちが大きくなっていった。まさか、今日のように寝台列車自体が無くなっている時代がくるなんて思いもしない遠い昔話だが、いつでも撮影はできると思いつつも、毎年実施されるダイヤ改正をにらみながら、撮影計画を立てていき実行に移していった。基本的に夜行列車の撮影だから、条件は厳しく1年を通じて撮影可能なわけではなく、日の長い時期を狙った行脚が増えていった。しかしそんな自然を相手に、あれこれ撮影計画をたて、打ちのめされながら、再び挑む行脚は今にして思えば楽しいものだった。今より機材も不利だし情報も圧倒的にないが、苦労して挑み良い結果だった時の快感は今の比ではない。
掲載写真は、1日3往復体制だった時の特急「あけぼの」。ヘッドマーク復活直前のEF65PFもどこか寂しい表情のブルートレインだ。マーク復活の吉報が届いた時、願いはいつか叶うものなんだ、と手を合わせた思い出が蘇ってくる。
198410-14 1006ㇾ EF651051 あけぼの6号 東北本線:矢板付近