杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

アタゴオルは猫の森

2006年10月15日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2006年10月14日公開

アタゴオル  そこは言葉を話す猫と人間が共存する不思議な世界。
年に一度の祭りの日にひときわ騒がしい陽気なデブ猫ヒデヨシが事件を起こす。
封印された禁断の箱を制止を無視して開けてしまった、その中には・・・

予告で観る画面の質感と猫の物語に惹かれて、劇場鑑賞を決めていた作品。
丁度ワーナーマイカルの15周年企画で1000円公開だったので今日観ることにする。周りは子供連れが多く、ちょっと心配だったが、皆大人しくマナー良く観ていた。

はっきりいって子供向け要素の強い物語になっているのだが、ヒデヨシという猫のキャラが並外れたトラブルメーカーで、唯我独尊、美味しいもののためには友達も平気で裏切るというかなり特異な性格なので、大人も十分楽しめると思う。

ヒデヨシを父と慕う植物王のヒデコが可愛いし賢い二人の決して上品ではない言葉使いも耳障りにはならず、親しみを増してくれる。

ギルバルスという猫の存在も見逃せない。ニヒルなさすらい猫のクールさに田辺誠一の声が合っている

何より3D-CGの美しい画面は十分に期待に応えた出来だろう
石井竜也の曲もこの不思議な森雰囲気を壊してはいないと思った。

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綴り字のシーズン

2006年10月14日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2005年 アメリカ 

宗教学者のソール・ナウマンは優秀な息子アーロンに愛情を注いでいたが、ある日幼い娘イライザがスペリング・コンテストで才能を開花させて以来、ユダヤ神秘主義に傾倒し文字や言葉に神と対話する特別な力があると信じるソールは、全米大会へと勝ち進んで行く娘の能力に夢中になり、妻の孤独や息子の批判に気付かないでいた・・・

正直、良くわからない作品だった。
まずスペリングコンテスト自体が馴染みがないし、勝ち抜いていく方法もいまいち理解出来ない。自分の番がきてたまたま知ってる単語ならラッキーってこと?

家族の心がばらばらになったのは、自分がコンテストに出るようになったせいだと感じたイライザが、修復のために試みた行動もわけがわからない。ユダヤ教の秘儀が何かも知らない身にはどういう意図なのかもつかめなかった。何故わざと間違えること=完璧を崩す事が修復になるんじゃ~~ 

心に傷を持つ母親にもヒンズー教にのめりこむ兄にも同情的な感情移入すら出来なかった。多分に宗教的な要素の強い内容で、理解の蚊帳の外

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リトルイタリーの恋

2006年10月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年3月公開作品 

1950年代。オーストラリアのリトル・イタリーに暮らすアンジェロから結婚申し込みの手紙を受け取ったイタリアの貧しい村に住むロゼッタは、同封されていたハンサムな彼の写真を見て、一目で恋におちる。夢膨らませてオーストラリアに着いた彼女を迎えに現れたのは、だが写真とは別人の男性だった。容姿に自信のないアンジェロが、自分よりも魅力的な弟ジーノの写真を送ってしまったのだ。戸惑いながらもロゼッタのジーノへの恋心はつのるばかり。だがジーノには交際している彼女もいて・・

予告を観た時に面白そう!と思い、新作になるのを待ちかねてレンタルだが、兄のアンジェロとロゼッタの恋模様ではなく弟ジーノとのロマンスだったのね 

移民であるアンジェロとジーノの兄弟はとても仲良し。兄想いのジーノは恋人との結婚も兄に遠慮して言い出せないでいる・・・かと思いきや、物語が進むにつれて、兄のためだけでなく、本当の恋に出会っていないのだということがわかってくる。内気で生真面目な兄の魔が差したような出来心が、兄弟の真実の恋に出会わせてくれたというロマンティックな仕上がりになっている。

別人の写真を偽って送るなんて詐欺行為だし、写真の相手に恋をして勝手に物語を妄想するロゼッタもどうかとは思うのだが。しかしこういう結婚の形は、現代では信じられないことだが、例えば日本でも同様に写真だけで結婚を決めることもあったと聞くし、当時はそれほど珍しいことでも特異なことでもなかったのだろうか

本当に愛されていないのではと疑念を持っていたジーノの恋人コニーがありのままの自分を本当に理解してくれる人に気づくという流れも安直ではあるが、悪くはない。容姿がいまいちという設定だが、アンジェロの方も別にブ男というほどではないし

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ワールド・トレード・センター

2006年10月12日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2006年10月7日公開  アメリカ 129分

9.11同時多発テロの標的となったワールド・トレード・センターを舞台に、大惨事から奇跡的に生還した男の姿を描く実話を基にした感動ドラマ。

オリバー・ストーン監督というので、何か構えてみなければならないのかという不安もあったが、予告編で人間ドラマだということ、及び、監督自身がイデオロギーを前面に出した作品ではないことを語っていたので、とにかく観てみようと

舞台は救助作業をしようとして倒壊したビルの地下に閉じ込められ、身動きの取れなくなった港湾警察のマクローリン(ニコラス・ケイジ)とヒメノ(マイケル・ペーニャ)の会話と彼らの家族の様子が中心で、ごくプライベートではあるが、感動的なドラマに仕上がっている。

たしかに政治的にどうだとか、大局的な要素は出て来ず、一警察官とその家族の想いを丁寧に描いているので、先日公開された「ユナイテッド93」よりはずっとドラマとして感情移入しやすい。実話であること、二人は救出され、存命であることを知っている分、安心してスクリーンを見つめていられたということもある。

自分的な泣き所は、彼らの会話や救出の様子ではなくて、その家族、妻や息子の想いが描かれる場面だ。日々の生活に流され、互いへの感情表現も希薄になっていたマクローリン夫妻が、改めて相手への想いの強さに気付いたり、気丈なヒメノの妻の健気な姿に涙が溢れてくる。

少々違和感があったのは、時間が経って意識が朦朧としてきた時にヒメノやマクローリンが見る夢。神が現れるというのは無宗教な身にはどうしても抵抗が・・彼らを発見する海兵隊員?の神に啓示を受けたような設定も同様。まさに事実は小説より・・なのだろうか

倒壊現場での塵・埃・瓦礫にまみれての殆ど顔だけの演技は両俳優にとっても過酷なものだったろうことは想像に難くない。観ているだけでも口の中がジャリジャリしてくるし目が痒くなりそう。冒頭のニコラスが颯爽とした容姿だったのが対照的。

マクローリンの妻ドナ(マリア・ベロ)、ヒメノの妻アリソン(マギー・ギレンホール)はじめ、彼らの子供達も美男美女揃い。こういう作品で美醜がどうのというのは不謹慎かもだが、平均以上を揃えたのか、実際に合わせたのか

事が起こった時、助けになるのは人の善意と生きようとする意志の力、自分を支えてくれる人たちへの愛と信頼なのだと、伝えているように受け止めた。

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トリスタンとイゾルデ

2006年10月11日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2006年10月21日公開予定

「ロミオとジュリエット」の悲劇は、ここから生まれた

コーンウォールの領主マークを育ての親に持つ勇敢な騎士トリスタン(ジェームズ・フランコ)は、瀕死の重症を負って葬船に乗せられ辿り着いたアイルランドの浜で王女トリスタン(ソフィア・マイルズ)に救われる。互いに身分を知らぬまま恋に落ちた二人にやがて残酷な運命が待ち受けていた・・


幼い日、命を救ってくれたマーク王への忠義と国のために一度は諦めた恋情が堰を切って流れ出す時、二人の前に障害はなく、あるのはただ甘美な陶酔の罠。自由に人を愛することが許されない時代に一途に初恋を貫き通す二人の姿は痛々しいほどに鮮烈である。

主演の二人の瑞々しい演技はもちろんだが、マーク王のルーファス・シーウェルが会場の好感を攫っていた。息子同然に可愛がっていたトリスタンと最愛の妻の不義に憤った王だが、二人の恋の真実をした時に許しを与えるその高潔さが一際印象に残った。

若き日のトリスタンは「ラブアク」や「ナニー・マクフィ」でお馴染みのトーマス・サングスターが演じている。
ジェームズはスパイダーマンでは脇役だったが(次回作ではかなり重要な役?)苦悩するトリスタンを上手く演じていた

これは試写会に当らなくても観たかったので素直に嬉しい
今夜は新宿の通常700人収容の場所に250人ほどだったので、とてもゆったりと鑑賞が出来た。加えて、前回「サンキュー・スモーキング」の時のように軽食付き然も格段に豪華なメニューの数々に目を見張る。集まった皆が「前回と比べて凄い差!」と口にしていた。この違いはなんでしょうね~~そしてレオ主演のロミジュリのDVDがお土産にもちろんプレスシートも貰えて今夜は本当にラッキー

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だれも猫には気づかない

2006年10月10日 | 
アン・マキャフリー作 赤尾秀子訳 創元推理文庫

中世、ある公国の若き領主ジェイマスの老摂政が遺したのは自身の飼い猫ニフィ。賢い彼女は、政治が絡んだ領主の恋をどうサポートするのか?そして誰も彼女がどんな働きをしているかには気づかないのだ・・


マキャフリー作品第2弾
これも軽いタッチのファンタジー。摂政の飼い猫が若き領主を陰で支えるその描写が自然で、ありえそうに思ってしまうところが良い。ジェイマスの恋は隣国の王妃の陰謀阻止する冒険のおまけまでついて適度のハラハラ感もあり楽しめる。

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SMAPライブ・オーラス燃え尽きました

2006年10月09日 | ライブ・コンサート他
今夜はSMAPライブ最終日、オーラス。今年は5回参加出来たけど、中居班には特別な感慨のあるライブだ。

今日の席は一塁側スタンド下段後方ややバックステージ寄り。開演前に招待客が席に案内されてくるのだが、今夜も沢山の有名人が来ていた様子。石原良純氏は確認できたが、どうやら中居ママもいらしてたみたい。浦島りんこさん、エビちゃん、大竹しのぶさん、飯島愛ちゃんもとAやBブロックにいた友人から後で教えて貰った。

中居のダンスのキレは昨日以上で足を引きずることも殆どなかったような。階段を下りる時だけは慎重にゆっくりと。

MCで各メンバーにライブの総括コメントを求める中居剛・吾郎・木村(非常に熱く語っていた)・慎吾ときて、自分は何も発せず次に進もうとするのを剛に「中居君こそ色々あったでしょ」と振られるが、かわして尚もジタバタ。最後に木村に「中居が挨拶しないと次の曲に進めない!」と引導渡されてのコメントは「慎吾は階段などでさり気なく手を貸してくれて嬉しかった、ありがとう」と握手。「剛は言葉をかけてくれた」「木村は客席から見えないところで手を貸してくれた」(いえいえ、ちゃんと見えてましたから~)と握手。最後に「吾郎は二度もぶつかってきた!二度目はぶっ飛ばしてやろうかと思った」とオチに使う。吾郎曰く「中居君の分も頑張ろうと必死だったんだよ」(笑)全く素直じゃないんだから、中居は

2TOPのダンスコーナーでは怪我が酷かった国立バージョンで木村が中居の周りを踊る踊る、背を地につけ踊る~~会場悲鳴

ソロでのエロエロダンスは今夜も来年、約束は出来ないけどまたライブをする時はちゃんと変顔じゃないうちわを出しますだって期待してるよ

舞台裏でメンバーの挨拶だけで終了と見せかけてトリプルアンコール曲は「オリスマ」そして恒例のシャンパンかけ中居がズボンを脱ぐ、とそこには右太腿にサポーター。あぁ彼は満身創痍で頑張ってくれたんだと感動・・の目に懐かしのうんこパンツ。一気に脱力!そんなヤツだった、彼は。自分の弱さを曝したくないシャイで照れ屋で頑固なヤツ。だからこそ好きになったんだっけ。

SMAP君、お疲れ様、そしてありがとう。夢をありがとう私の夏も今夜で終わりました。

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中居復活

2006年10月08日 | ライブ・コンサート他
SMAPライブin東京ドーム  18:04~21:35位

ちょっと前、8日はビデオ撮りが入るから踊る、という情報は目にした。でも、もしかしたらオーラスの明日までは封印かもとあまり期待しないようにしようと考えてた。そんな不安を吹き飛ばすオープニングのフォーメーション。あ、戻ってる!今夜、中居正広はダンスもソロも復活いたしました

「Dear WOMAN」~ブザビまで全開バリバリのダンス。おいおい!そんなに飛ばしたらばてるゾお願い、まだ癒えてないんだからそんなに動かないで、と心配になる反面、これが見たかったのよぉぉと視界が暈ける。いや、ここで泣くの、早過ぎですから

続くひよこさん衣装ではまだ左足にサポーターが巻かれている。でもサンダルじゃなくて白に黄ライン入りのスニーカーだし、ちゃんと踊ってるし・・ゆえに給水回数もいつものように頻繁。かなーり頻繁それも嬉しい中居班そして一回目のリフターで一塁側に中居。きゃーー

今夜のMCは会場に吾郎ちゃんの両親が来ていること。楽屋が隣だったので、中居は黒パン姿でいる時に出会って挨拶したら吾郎母に「中居君もゴルフするんでしょ?今度一緒にしましょう」と言われたけど、「一緒に行って何話すんだよ(^^;」(中居)

慎吾「俺、会ったことない、会いて~」
木村「おまえ、家に行っただろ、昔・・」
という流れから吾郎ちゃんの家(団地)に皆で行った時のゴキ話に。吾郎ちゃん、困ってました

「星空の下で」の準備をしながら
吾郎「そういえば今日も沢山の有名人が・・例えばタカさん(石橋)とか。」
といった途端 中居「そんな嘘言っちゃダメだよ、タカさん来てない」
吾郎「え、だって名前が書いてあった・・・あ、違ったかな・・」
この間中居が吾郎になにやら合図してたような。本当か誤解かは謎だけど、この件とゴキ話で動揺したゴロちゃんはバスタオルを体にかけたままスタンバイしてしまい、慌てて置きにいってました

今日初めて気付いたのだが、この曲の時にバックバンドがメンバーの周囲の階段で演奏してるのね。他に管楽器の時ステージ下段で演奏してたり、ちゃんとバックの見せ場も用意されてるんだ~と今更で遅っ

Piece of worldからの黒ロンジャケ衣装では怪我してた時のステッキはなし。後ろ向いてる時、しきりにベルトを締め直す癖?も復活

ダンサーさんとの絡みもちゃんとしてたけど、木村や吾郎と違い、どうしても腰が引けて見えるのが面白い。この照れが消えれば本物のセクシーが身に付くと思うのだが。2TOPのダンスも以前の振りに戻っていた。動けない中居の周りをわんこのように踊りまくる木村と一人千手観音の中居バージョンも捨てがたいものがあるのだが

ジャケットを脱いだ冬バージョン曲の後は各自のソロ。そしてスクリーンにメールの文字が・・・中居ソロだぁっメールの内容も
女の子「肋骨骨折に肉離れ・・今夜も無理かな・・でも・・」
男の子「・・・。わかった。でも・・トイレ行かずにちゃんと見て」
しっかりネタふりしてオチまでつけてた。転んでもタダでは起きないヤツ、NAKAIソロの女性ダンサーとの絡みもまぁまぁエロく決めてくれた。

「ありがとう」で一旦終了なのだが、ステージ上段で集まった時、慎吾が歌いながら泣いていたように見えた。彼は人一倍中居のこと気遣ってくれてたし、ああみえてかなり繊細な子だからね。つられて中居もぐっときてるように見えたのだが・・。

アンコールではトロッコが一旦止まりリフターが上がった時、丁度近い位置に中居が~~満面の笑顔、四方へのお手振り。会場ももちろん笑顔・笑顔・歓声そして笑顔

今夜のラッキーさんにも男性(おじさん)が一人。ちょっと肩身が狭そうな様子が微笑ましい。中居ってばこういう時、必ず弄りに行くの

Wアンコールの後、何か言いかけて扉の向こうに消えていった人・・気になるんですがぁ・・何を言いたかったんだよぉぉ

電動自転車?いえ、あれはやっぱり自転車型バイクのような。だって絶対漕いでません、ペダル坂道勝手に上がって行きますから。凄くカッコイイけどとっても高価そうな二輪車だわぁ

今夜の席は一塁側のバルコニースタンドで比較的ゆったりと座れたし、ここは収容人数が少ないせいかトイレも混まない&設備が一般席より綺麗。ドームへの出入りも他のゲートに比べ格段に空いている。他がぎっしり並んでいるのに全く行列することなく入れた。もし選べるならこの席は良いかも

とにかく中居復活が何より嬉しい夜だった

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春の雪

2006年10月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2005年10月公開作品 150分

原作は三島由紀夫の小説『豊饒の海』四部作の第一部にあたるが、映画はこれだけで完結した形になっている。

大正初期の貴族社会。幼馴染である侯爵家の一人息子・松枝清顕(妻夫木聡)と名門華族・綾倉家令嬢聡子(竹内結子)は成長して互いに想い合うようになる。

士族出身の成り上がりである侯爵家と没落名門の綾倉家の間には表面的な友好関係の裏で複雑な思惑が渦巻いていた。聡子の結婚話から二人の愛は秘密と破滅の道をたどり始める。


うーーん。役者の力量不足この二人、貴族のお姫様にも若様にも見えないんだよな。言葉遣いも全く馴染んでないし、品も・・・
三島作品特有の青臭さというか傲慢さを出そうと苦心しているのはわかるけど、彼の作品は好みではないということもあり辛口評価。ではなぜ観たか?貴族社会に興味があったんだもん

映像は綺麗。衣装や調度や景色といった色彩は素晴らしい。
この点では満足

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トンマッコルへようこそ 

2006年10月06日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
今夜は5日にオープンしたばかりのららぽーと豊洲の中にあるユナイデッドシネマ豊洲で行われたムービープラス主催の試写会&DVDシネマフェスタ授賞式に参加した。

「あなたが選ぶ夕日ムービー」に選ばれたのは「黄昏」一般視聴者の投票では「きみによむ物語」「海辺の家」が上位だったのに選考委員3名を加えた結果は三位だった「黄昏」・・じゃぁ一般の意見は無視かよ!って気もするのだが 受賞作品は確かに名作だし、これがダメってことじゃなくて、選考方法がよくわからんってことで天邪鬼な気持ちになってしまった

で、この豊洲は2番か7番の出口を上がる。階段には強風で壊れた傘の屍骸が累々と積み重なっていた。その数半端じゃね~~日本人はいつからゴミを堂々と捨てて恥じないようになったんだ?

ららぽーともどでかい広さ。天気が良ければ海が見える絶好のロケーションに近代的でしゃれた建物に圧倒されるんだろう劇場は南棟の奥なのでけっこう歩かされる。しかもシネコン自体がまた広いし一番奥のスクリーンだったので更に歩かされておそらく一番大きなスクリーン。品川IMAXや新宿テアトルタイムズスクエアのような豪華さがある。音響はヤマハ。

肝心の「トンマッコル」

1950年、朝鮮戦争の真っ只中。争いを知らない子供のように純真な村トンマッコルに、ある日空から降ってきた(墜落)連合軍兵士スミスと迷い込んだ朝鮮半島の敵対する兵士達。初めは互いに銃を突きつけ睨みあう彼らが、村のマイペースでのんびりした暮らしに馴染み、心を開いていくのだが・・・

戦争が起こっていることも銃や手榴弾も知らずに平和に暮らしている村人たちと兵士達のやりとりはコミカルで、彼らが真剣であることがより一層笑いを誘う。
頭の弱い女の子ヨイルが更に事態をややこしくするのも楽しい。
出会いの銃を構えての睨みあいも、村人達と畑仕事をしたり、スミスの作ったボールでラグビーしたり、野糞シーンや猪との格闘?も笑いのツボだ
村一番のインテリのキム先生の英会話などは爆笑ものだ

後半は村人を守ろうと闘う兵士達の姿を通して、それまでの桃源郷のような平和な暮らしの中の笑顔の尊さと彼らの間に芽生えた友情、非情な現実を観客に突きつけてくる。

いつの間にか、最後はめでたしで終われば良いのにと思いながら観てる自分に気付く。結末は・・・アレで良かったんだと思うけど

最初は国軍も人民軍も区別がつかなかったが、時間と共にそれぞれのキャラも見分けられるようになり、そうなると感情移入もしやすくなってくる。
人民軍将校のリ・スファと国軍将校のピョ・ヒョンチョル は容姿も兄弟のように仲良くなる人民軍下士官のヨンヒと国軍衛生兵のサンサン。人民軍少年兵のテッキはヨイルにほのかな想いを寄せる。

敵だからと初めは憎みあっていた彼らが次第に心を開き仲良くなっていく様子を見れば、戦争とはいかに個人の人間性を無視・抹殺した行為なのかがわかる。
彼らの払った犠牲を村人達は気付くのだろうか?気付いて欲しいような、何も知らないまま暮らしていって欲しいような複雑な思いが胸を過ぎった。

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ゲド/戦いのはじまり

2006年10月05日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2005年製作 米 172分

ゲド戦記シリーズの実写映画。
多島世界アースシーを舞台に、魔法を身につけた若者ゲドが"平和の腕輪"を修復して世界平和をもたらすための冒険の旅を描く。

この物語、一番最初に今夏のアニメで知る。
内容に少々疑問が残り、改めて原作シリーズを読み始め、Ⅰ以外の5巻を読了。(一冊だけまだ予約待ち状態・・もう2ヶ月以上経つのにぃぃ)もうそろそろ良いかなと実写版に手を出してみる。

うん、悪くないよ私はけっこう好き

物語は青年ゲドが主人公なのだが彼の真の名と通称が逆なのは違和感あり。テルーは初めから大巫女として育てられたのではなく、サーが大巫女でコシルがその座を狙う悪女という設定。原作でちょっと気に入ってたマナンは出てこない。
ロークの学院は男女共学だし、アチュアンの墓所も男性の出入り自由
壊れた腕環は初めからゲドと共にあるし、墓所での残り半分の隠し場所も・・

原作と比べてよりファンタジックで娯楽性を強調した内容になっているが、哲学的な問いかけは薄れている。しかし何も考えずに楽しむ分にはこちらの方が分かりやすいだろう。ゲドのロークでの友人関係はホグワーツでのハリー達を見るようだし、カルガドの兵士の装いはROTRを連想するので、全体としては二番煎じ、三番煎じの印象は否めない

ゲドよりカルガドの王の方が美男子でも性格は最悪
オーム・エンバーも出番あり。この辺はVFX効果を楽しめる・・かも。

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もしも昨日が選べたら

2006年10月04日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2006年9月23日公開

≪人生なんて、自由に操れる。と、信じていた。≫

会社で出世することが、幸せへの近道だと信じ、家族よりも仕事を優先してきた建築士のマイケル(アダム・サンドラー)。 ある日、家庭での煩わしさ解消のために電化製品の万能リモコンを手に入れるが、それは人生までも変えてしまうスーパーリモコンだった。 

アダムのコメディだから気軽に笑ってお終い、との予想を小気味良く裏切って、泣かせ所もしっかり用意されたハートフルな仕上がり

マイケルに万能リモコンを渡す怪しげな従業員のモーティ(クリストファー・ウォーケン)が実にとぼけた味わい。彼の正体は最後で明かされるが、これは大体予想がつくというもの。「スリーピーホロー」での首なし騎士や「シークレット・ウィンドウ」の主人公モート→モーティを連想して別の意味で感情移入している自分がいた

最初から下ネタやピー言葉が満載なのに厭らしくないのは
特に犬(達)とあひるのぬいぐるみのシーンは爆笑。


マイケルの妻ドナ(ケイト・ベッキンセール)は美しいし、二人の子供ベンとサマンサがまた可愛いんだなこんな家族に恵まれているのにどうして身近な幸せ、家族の願いに気付かないのか歯痒くなってしまうけれど、そこがストーリー運びだもんね

都合の悪い時間をすっ飛ばしてご機嫌だったマイケルが、お利巧なリモコンが勝手に「学習」してどんどん人生を進めていくのに気付き青くなる後半、父親との最後のシーンや病院での息子や家族との会話は泣かされる。が、しっかり笑いのツボを仕掛けておく当りはまさにコメディ作品

妻の再婚相手ビル役にショーン・アスティが出ている。

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天より授かりしもの

2006年10月03日 | 
アン・マキャフリー作 赤尾秀子訳 創元推理文庫

王女ミーアンが宮廷暮らしに耐えかねて出奔した先は森の奥深くのきこり小屋。生活のことなどなにも出来ない彼女の前に現れたのは背中に鞭跡のある少年ウィスプ。互いに助け合って暮らすようになる二人だが、消えた王女をさがす宮廷の使者が現れたことでウィスプの様子が一変する・・・

以前、グィンシリーズについて書いた時に薦められたマキャフリー作品の中から手軽そうなものをセレクトしてみた。
竜シリーズやSFシリーズの前に肩慣らし~というか、一番興味を持ったお姫様ものということで

皆が何かしらの天賦の才をもつ世界で王女という高貴な身分に似つかわしくない平民の才(草木を育む)に恵まれた故に疎まれてきたお姫様が自分の住む「場所」を求めて宮廷を逃げ出し、共に生きる人と出会うというストーリーはちょっと新鮮。

やたらに長い本名や「分かちあい」の儀式などくすぐったいような描写はむず痒くもあるが、思いっきり少女時代に戻って中世ロマンチック・ファンタジーの世界に暫し漂ってみた

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サンキュー・スモーキング(試写会)

2006年10月02日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2006年10月14日公開予定

ニック・ネイラーはタバコ業界の顔。高まる禁煙運動の弾丸を魅力的なスマイルと巧みな話術でかわし、業界の繁栄策を考え出し、タバコのパッケージにどくろマークを付けたがっている上院議員とやりあう刺激的な日々。ストレスはモッズ(死の商人)仲間との飲み会で発散させ、別れた妻の下に暮らす息子と週末会うのを楽しみにしてる。とんとん拍子な人生にやがて大どんでん返しが訪れるが、息子の励ましでヤル気を呼びさまされた彼がとった行動は・・・


某映画会社のプレミア試写会に当っての鑑賞。
「タバコの映画かぁ・・・煙そう」というのが最初に思ったこと。
ところがこの作品、とってもシニカルで大人なエンタテイメントだったのよ

オープニングの役者紹介部分からかなりスタイリッシュ。タバコのパッケージデザインに似せて俳優や監督等の名前が出てくるのが楽しい。掴みはOK

何といってもタバコ業界の話なのにスモーキング場面が一回も出てこない!
これだけでも普通じゃない映画いってみればタバコをめくる狂想曲。

業界の内幕のみならず政府や環境団体、取材記者まで散々に皮肉って愉快痛快&爽快な一時間半となった。

主役のニック・ネイラー役は彼しかいない!と言わしめたアーロン・エッカート。モッズのメンバーでアルコール業界のPRレディのポリーはマリア・ベロ。切れ者の女性役が似合ってる。子役は「ウルトラヴァイオレット」や「X-MENファイナル」でもお馴染みのキャメロン・ブライト。保護されるだけの今までの役と違い、普通の12歳の少年を嬉しそうに演じている

ハリウッドのスーパーエージェント役はロブ・ロウ。日本好きというキャラ設定で庭には12000ドルの鯉が泳ぎ(オプラから贈られたという設定)箱庭があったり、マシュー・マコノヒーの芸術作品が飾られてたりのオフィスに目を丸くすること請け合い彼の着るナイトガウン?は日本の着物、但し女物。これは男女の着物の区別がつかずに「綺麗だから」と選んだら女性ものだったというエピソードがあるそう

物語の主題は情報操作に踊らされ、むやみにNOというのではなく自分で物事を判断する能力を養う事だとはっきり観客に示している。
久々に知的で上質な娯楽作品を観たと思った。

コネタ・・・登場人物はきっちりとネクタイを締め、白いワイシャツ姿。
そのネクタイの柄に注目。これがわかればかなりの通

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ある子供

2006年10月01日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2005年12月公開
製作国 : ベルギー=フランス

20歳のブリュノは定職に就かず、仲間と盗みを働いて暮らしている。恋人のソニアは18歳。子供を産むが、ブリュノには父親の実感も自覚もなく、盗んだカメラを売りさばくように、子供を売ってしまう。それを知ったソニアがショックで倒れて初めて自分が冒した過ちに気づくブリュノだが……。

劇場予告では子供を売ってしまう行為がクローズアップされていたので、それが作品の主題なのかと勘違いしていたのだが、実際はエピソードの序章にしか過ぎなかったことに気づかされる。

子犬のようにじゃれあいながらも母になったソニアは「明日」を見つめている。反対にブリュノの方は、子供の父となっても今まで通りのその日暮らしが続くと無邪気なまま、深く考えもせずに我が子を売ってしまうのだ。

ソニアに背を向けられて初めて自分の行為と彼女を傷付けたことに気付くブリュノ。子供を取り戻した後の「違約金」のために仲間の少年と引ったくりを犯す彼は運命の坂をどんどん転がっていくかに見える。

が、凍てつく川の水に漬かり凍える少年を介助したり、少年が捕まった時、自ら名乗り出るブリュノの行為は、彼が「悪人」ではないことを観客に気付かせてくれる。

ブリュノは単に大人になる意味を知らない子供だったのだ。ただ「何も知らない」だけなのだ。涙も、働く汗も、本当の愛も、命の重ささえも。
刑務所?でのソニアとの面会の場面で「希望」を感じさせてくれるラストシーンに作り手の暖かな視線を感じ、後味は悪くなかった。

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