ドッグフードを調達に行ったホームセンターで たまたま目に入った なんとも優しい薄紫の セイヨウニンジンボクと名札の付いた鉢花を 母の花壇に植えたいと思いました
都合よく連休に差しかかった我が家のハタラキバチさんにワンコをお願いし 殖え過ぎたチューベローズやムスカリの球根 そしてフォーバーヒューの苗も携え実家に向かいました
まさか
「 こっちは大丈夫だから ゆっくりしてくれば ・・・ 」 と台風18号の中を移動するのは危険だからとの電話の声に甘えることになり 1日か2日で戻るつもりで 携帯用容器に詰めた化粧水が足らなくなるとは 思いもよらず
上げ膳据え膳に心苦しさはあるものの こんなにノンビリと実家で過ごしたのは 実に久しぶりです
雑草に覆われた母の花壇に 幾らかの草花の植えたのは7月のことでした
一日のほとんどをベッドで過ごすようになった花好きの母のために 花壇を蘇らせたいと思ったのです
花壇作りに協力的だった姉も 私が帰った後 花屋さんに出向いては 花苗を求めて植え付けていたようです
数輪の花がついた程度だったジニアは大胆に生長し 花壇の一角を彩っていました
台風が過ぎたあとの秋風を受けても なお勢いを増す花色にして
人間の体力の衰えを示すグラフは 90歳を越えて急激な下降線を描くのでしょうか
つい2ヶ月前には 庭で作業をする私に 濡れ縁から喜びの声をかけてくれた母でしたが 無事に台風を見送って帰宅する日の夕方 「またね」と声をかけようとしたけれど 寝息も立てずに眠っている母を起こすのは阻まれて そっと帰ってきました
帰路の車窓から振り返ると 母が居る方向の空を染める 普段なら優しいはずの紅が いつになく力強過ぎて 切なく思えました