前回も触れたが3月18日に発生した東電福島第一原発の電源喪失事故は、結局、受電設備の隙間から侵入したネズミが感電してショートしたものとの結論に至った。
科学技術の最先端ともいえる原子力発電所がネズミ一匹に撹乱されてしまったのかと思うと不謹慎ではあるがいささか滑稽でもある。
その騒ぎがやっと収まったかと思ったら、今度は高濃度放射能汚染水の地下貯水槽で汚染水が漏れ出していることが見つかった。
福島第一原発では、原子炉建屋の壊れた壁などから地下水が流れ込み、今でも1日あたり約400トンのペースで高濃度の放射性物質を含む汚染水が増え続けている。
これらの汚染水は、放射性セシウムを取り除いたあと一部は原子炉の冷却に使い、残りは、海や大気中に漏れ出さないよう、敷地内に設置したタンクや地下貯水槽に溜めて保管されている。
現在、汚染水を保管するためのタンクと地下貯水槽の貯蔵容量は、合わせておよそ32万5000トン分あるが、すでに8割を超すおよそ27万2000トン分が埋まっている状況である。
福島第一原発で汚染水を保管している7つの地下貯水槽は、敷地内の貯水槽やタンク全体の20%近くに当たる、合わせて5万8000トンほどの容量があり、現在、5つの貯水槽で合わせて2万7000トンを保管している。
このうち120トン余りの汚染水が漏れ出した最も大きい貯水槽は、およそ1万4000トンの容量があり、大きさは縦60メートル、横53メートル、深さ6メートルとなっている。
7つの貯水槽はいずれも同じ構造で、地盤を掘り下げて、プールのような巨大な穴を作り、土の上に3重の遮水シートを貼り付け、水漏れを防ぐ構造になっている。
東電によると、3重の遮水シートのうち、最も内側と真ん中のシートは、厚さ1ミリほどのポリエチレン製で、最も外側には、厚さ6ミリほどの粘土を材料に使った特殊な遮水シートが設置されていて、水を吸うと膨らんで水を通さない仕組みになっている。
簡単にいうと、この構造は産業廃棄物の最終処分場などに似た構造である。もっと極端に言えば農家の糞溜めにも等しい構造といっても過言ではない。比較的安定した産業廃棄物などならともかく、高濃度の放射能汚染水の貯蔵施設としては、甚だ心もとない構造であるとしか言いようがない。
福島第一原発敷地内で、今回漏えいが起きた汚染水専用タンクのうち、現在、空きがあるのはおよそ6000トン分で、仮にこれらのタンクを使い、新たに発生する汚染水を保管する場合でも半月程度分しか保管できないことになる。
東京電力は、さらにタンクの増設を進め、まず今月中には1万5000トン分を増やす計画であるが、それでも十分に余裕があるとは言えず、汚染水の保管は、これまで以上に厳しい運用を迫られることになる。
素人の私には廃炉まで40年という年月・・・・つまり14,610日と一日あたり400トンの汚染水584万4000トンという膨大な数字が心配になって仕方がない。
ここへきて、漏れた貯蔵タンクから移送した先のタンクでも漏洩があることがわかったようだし、東電と施工会社のゼネコンの間で設計ミスだの施工ミスだのというトラブルも起きているという。設計ミスなのか施工ミスなのかは当事者間では重大な問題なのだろうが、利害関係のない一般市民の立場からすれば、責任の擦り合いをする前に漏れない貯蔵設備を作るために先ずは英知をしぼってもらいたいと思う次第である。
IAEA=国際原子力機関の調査団が、廃炉作業が行われている東京電力福島第一原子力発電所を今月中旬に訪れ、トラブルが相次ぐ汚染水の管理や廃炉の工程について初めて検証を行うことになった。国際機関の厳しい検証を受けて、一日も早く汚染水の保管や処理についての筋道をつけてもらいたい。
科学技術の最先端ともいえる原子力発電所がネズミ一匹に撹乱されてしまったのかと思うと不謹慎ではあるがいささか滑稽でもある。
その騒ぎがやっと収まったかと思ったら、今度は高濃度放射能汚染水の地下貯水槽で汚染水が漏れ出していることが見つかった。
福島第一原発では、原子炉建屋の壊れた壁などから地下水が流れ込み、今でも1日あたり約400トンのペースで高濃度の放射性物質を含む汚染水が増え続けている。
これらの汚染水は、放射性セシウムを取り除いたあと一部は原子炉の冷却に使い、残りは、海や大気中に漏れ出さないよう、敷地内に設置したタンクや地下貯水槽に溜めて保管されている。
現在、汚染水を保管するためのタンクと地下貯水槽の貯蔵容量は、合わせておよそ32万5000トン分あるが、すでに8割を超すおよそ27万2000トン分が埋まっている状況である。
福島第一原発で汚染水を保管している7つの地下貯水槽は、敷地内の貯水槽やタンク全体の20%近くに当たる、合わせて5万8000トンほどの容量があり、現在、5つの貯水槽で合わせて2万7000トンを保管している。
このうち120トン余りの汚染水が漏れ出した最も大きい貯水槽は、およそ1万4000トンの容量があり、大きさは縦60メートル、横53メートル、深さ6メートルとなっている。
7つの貯水槽はいずれも同じ構造で、地盤を掘り下げて、プールのような巨大な穴を作り、土の上に3重の遮水シートを貼り付け、水漏れを防ぐ構造になっている。
東電によると、3重の遮水シートのうち、最も内側と真ん中のシートは、厚さ1ミリほどのポリエチレン製で、最も外側には、厚さ6ミリほどの粘土を材料に使った特殊な遮水シートが設置されていて、水を吸うと膨らんで水を通さない仕組みになっている。
簡単にいうと、この構造は産業廃棄物の最終処分場などに似た構造である。もっと極端に言えば農家の糞溜めにも等しい構造といっても過言ではない。比較的安定した産業廃棄物などならともかく、高濃度の放射能汚染水の貯蔵施設としては、甚だ心もとない構造であるとしか言いようがない。
福島第一原発敷地内で、今回漏えいが起きた汚染水専用タンクのうち、現在、空きがあるのはおよそ6000トン分で、仮にこれらのタンクを使い、新たに発生する汚染水を保管する場合でも半月程度分しか保管できないことになる。
東京電力は、さらにタンクの増設を進め、まず今月中には1万5000トン分を増やす計画であるが、それでも十分に余裕があるとは言えず、汚染水の保管は、これまで以上に厳しい運用を迫られることになる。
素人の私には廃炉まで40年という年月・・・・つまり14,610日と一日あたり400トンの汚染水584万4000トンという膨大な数字が心配になって仕方がない。
ここへきて、漏れた貯蔵タンクから移送した先のタンクでも漏洩があることがわかったようだし、東電と施工会社のゼネコンの間で設計ミスだの施工ミスだのというトラブルも起きているという。設計ミスなのか施工ミスなのかは当事者間では重大な問題なのだろうが、利害関係のない一般市民の立場からすれば、責任の擦り合いをする前に漏れない貯蔵設備を作るために先ずは英知をしぼってもらいたいと思う次第である。
IAEA=国際原子力機関の調査団が、廃炉作業が行われている東京電力福島第一原子力発電所を今月中旬に訪れ、トラブルが相次ぐ汚染水の管理や廃炉の工程について初めて検証を行うことになった。国際機関の厳しい検証を受けて、一日も早く汚染水の保管や処理についての筋道をつけてもらいたい。