日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
人生を大いに楽しむために言いたい放題、書きたい放題!!
読者のコメント歓迎いたします。

地震には強いガッチャンポンプです

2016年04月20日 16時49分27秒 | 日記
 
 今回の熊本地震でも被災地域では飲料水の不足が深刻なようである。

 私は熊本へ二度行っただけだが宇土の轟水源の水も飲んだことがあり水が豊富なところだという印象がある。その熊本において飲料水にも事欠くという事態は一体どういう理由なのであろうか。それは上水道の普及で井戸やポンプが利用されなくなったことが主な要因とおもわれる。

 ガッチャンポンプとはつい近年まで各地で普通に見られた手押し式ポンプの俗称でハンドルを押し下げて水を吸い上げるポンプである。


 浅井戸用ポンプでは、大気圧によって井戸水を吸上げる。ハンドルに連結されたピストンは本体内部を真空状態にする。そして、大気圧によって水が吸い上げられ、シリンダー内部に入ってくる。すなわち、理論上大気圧である1気圧分の10メートルまで汲み上げることができる。実用上は、吸込揚程は最大7~8メートルまでである。ただし、ハンドルが短い小型ポンプでは、揚水パイプ内の水の重さに耐えて跳ね上がりなく安全にスムーズに汲み上げるには2~5メートルが最大である。

 大正時代から、昇進ポンプと呼ばれる手押しポンプが広島(津田式ポンプ製作所)で作られ、また名古屋地区にてガチャポンと呼ばれる手押しポンプが鋳造量産され始めた。昭和十数年頃から、各家庭の台所や裏庭に普及させるために開発し、現在の戦後主流になったTB式自在口共柄ポンプ(東邦工業製)が現れた。特に昭和30年代後半、水道が普及するまでは、日本中のどこの家でも見られた。

 その後、次第に電動井戸ポンプに置き換わり、さらに、水道の普及によって、一般家庭では井戸が使用されなくなり、農事用以外ではあまり見かけなくなった。しかしながら、阪神・淡路大震災以降、災害時の生活用水・雑用水の確保に大いに役立ち見直されるようになり、各自治体によって災害手押しポンプ井戸登録も行われている。公園や公共施設にも多く設置されるようになった。

共柄ポンプ型メーカーは戦前戦後からの9社と1971年(昭和46年)頃からの後発の模倣品の1社、昇進ポンプ型メーカーは戦前からの1社と1975年(昭和50年)からの後発の1社がある。近年ステンレス製のものが2社から発売された。

 場所によっては地下水脈がないところもあろうが我が国の人口密集地の多くは平野部にあり井戸を突けば水は確保できる。災害対策として手押しポンプを設置することを推奨したい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする