京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

時間についての考察:「今」を刻むリズム

2020年01月05日 | 時間学

青山拓央 『心にとって時間とは何か』講談社現代新書2555, 2019

この書の著者は時々「今」とつぶやいて、「今」をひきもどす作業と「時間しおり」を生活にはさむ作業をしているそうである。意識下で時間に今の打点を打つという発想は面白い。この場合はおそらく数時間の間隔であろうが、実はこういった打点作業を無意識のうちに脳がもっと短い周期で行っている可能性がある。

「太鼓の達人」という子供向けのゲームがある。太鼓を打つタイミングをメロディーにのって流れてくる丸の図形に合わせる単純なゲームだが、音痴の大人がやるとけっこう難しい。環境のリズムに内的な振動体を同期させることで時間が生じているのではないだろうか?一種の符号モデルといえる仮説である。

 

 

ギリシャ人は人の思考が営まれている器官は脳ではなく、横隔膜であると考えていたそうだ。呼吸をともなう横隔膜の不断のリズムが思考をうみだす仕組みだとしていたのである。思考によって脳内時間が生ずるのであれば、横隔膜リズムが時間を生み出していることになる(セルゲーエツ、1975)

 

参考図書

ポリス・フヨドヴィッチ・セルゲーエツ著 『記憶の奇跡』松野武訳 東京図書 1975 (8頁)。

 

 


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