年代観が変わった第1展示室(先史・古代)
第1展示室は歴博が主導する最先端の研究の結果、年代観が大きく変わった縄文・弥生文化を中心に2019年、リニューアルオープンしました。「最終氷期に生きた人々」「多様な縄文列島」「水田稲作のはじまり」「倭の登場」「倭の前方後円墳と東アジア」「古代国家と列島世界」「沖ノ島」「正倉院文書」という8つのテーマから構成される先史・古代の人びとのくらしと文化を是非ご覧ください。
先史時代について
第1展示室は「原始・古代」という名称で開室しましたが、リニューアルオープン時に「先史・古代」という名称に改めました。古代に対応する歴史用語は、本来、先史ですが、先史には文献以前であり、文字出現以前は歴史ではないという考えもあったため、歴史用語ではない原始を使ったという経緯があります。しかし自然科学的な方法によって明らかにした暦年代を付した古墳以前の展示をおこなったことから、旧石器・縄文・弥生・古墳をさす先史・原始時代を先史時代としてくくることにしました。
人類進化の流れ
ナウマンゾウ
オオカミ生体復元模型
約4万年前の南関東の風景
茨城県の霞ヶ浦にそそぐ花室川からは多数のナウマンゾウ化石が見つかっている。
最終氷期の動物たち
Ⅰ 最終氷期に生きた人々
260万年前~現在まで続く氷河時代のなかでも最も寒かったのが最終氷期(約11万~1.2万年前)です。約3.7万年前に日本列島にやってきた後期旧石器時代人(ホモ・サピエンス)は、後氷期とは全く異なる寒冷環境の中で移動性が高い狩猟生活を営んでいました。最終氷期末の縄文時代草創期(約1.6~1.1万年前)には世界でも最古段階の土器が出現します。
狩猟した動物と石器
石蒸し調理復元
寒冷環境を生き抜くための工夫
石器製作復元模型
Ⅱ 多様な縄文列島
約1.1万年前から、九州北部において水田稲作が始まる約3千年前までの日本列島域では、共通性を持ちながらも、各地の環境に適応した多様な社会や精神文化が営まれていました。本格的な定住生活をはじめ、狩猟・採集・漁労・栽培をおこないながら、世界史的にもユニークな文化を残した人びとの生活を見てみましょう。
配石住居
縄文人の祖霊祭祀
(続く)