半藤一利さん著 歴史探偵 近代史をゆく
二・二六事件が起こる直前の、昭和11年の二月十四日の『日乗』(永井荷風の残した膨大な日記『断腸亭日乗』)で、荷風はなかなかにあっぱれなる判断を示している。不平不満が渦巻いていた時代背景をおいてみると、新聞や雑誌をろくに読まず、ラジオも拒絶しているくせに、爺さんがなみなみならぬ観察眼をもっていたことが知れる。
《日本現代の禍根は政党の腐敗と軍人の過激思想と国民の自覚なき事の三事なり。政党の腐敗も軍人の暴行も、之を要するに一般国民の自覚に乏しきに起因するなり。個人の覚醒せざるがために起ることなり。然り而(しこう)して個人の覚醒は将来に於いてもこれは到底望むべからざる事なるべし》
覚醒しなきゃ
ここで言う覚醒とは、外出自粛とかではない。
日本経済新聞5月1日朝刊より
コロナ医療の病巣 機能不全の実相 上
空き37万床でも逼迫
非効率 改革先送りの代償
「ベッドが足りない」と悲鳴があがる一方で、大量の空き病床が発生する矛盾は、日本医療の機能不全を象徴する。
コラ ガースー 何とかせいや