ムカデとことこ

 ひとが幸福になること・意識の成りたち・物理と心理を繋ぐ道
       ・・そんなこと探りたい

皮が剥がれること と 自律

2015-01-06 13:57:59 | ひとの幸福
お義父さんの人となりが現われたエピソードを書いたけれども、

こういうことも思った・・・

以前読んだ何の本だかわすれてしまったけれど、

認知症になった母親の性的なあられもない言葉に娘がびっくり仰天した話。

そのお母さんは認知症になる前はとても上品な穏やかな人だったんだけど、

認知症になって、性的な発言を大声でわめいたという。

ただの猥褻な小噺というようなものじゃなく、

こうしてとかあ~してとかの話だったそう。

そんなことは想像もできないような母親だったから、

娘のショックは大きかったという記述があった・・・と思う。


認知症になるのはそういうのが恐いなぁ、と思ったよ。

私も何がどうなるかわかったもんじゃないよ。


『自律』という言葉がある。

・・自分で自分の行為を規制すること。

外部からの制御から脱して、自身の立てた規範に従って行動すること。

・・・と、広辞苑にある。

この人は認知症になる前、自分を律していたのだろう、と思う。

自分の行為を規制するとは、何かの、こうしたい、こうしたくない、という思いがまず生まれて、

それを、行為に移さずに規制する・・・

最初浮かんだ思いのままに行為しないということだ。

そういう行為をてんからまるでしたいとも思わなかったら規制することもない。


けれど、規制といっても、そうしたいとパッと思ってしまっても、

やっぱりそういうことはしたくない、と自分の意志で心底しない規制と、

本当はしたいのだけれど、みっともないからしない、というような、

外部を意識した規制とがあるのかと思う。

あ、広辞苑にもちゃんと外部からの制御から脱して、自身の規範に従って行動すること・・・と書いてあるね。

上に引用したお母さんはどっちだったんだろう・・・

自覚の上、そういう行為はしないと納得していたら、

呆けてもそういうことはしないだろうか・・・!!???


それともこの人は言いたいことを我慢していて、それが残り火みたいに

潜在意識に残ってブスブスとくすぶっていたんだろうか・・・???


認知症になる前に自覚納得の上、そういう行為をしないで居ても、

呆けるとそのようになってしまうということもあるんだろうか・・・???


でも、待てよ・・・

娘さんが知らないだけで、そのお母さんは性の世界では奔放な人だったのかもしれない。

認知症になる前から性的な意志をあっけらかんと出していたのかもしれない。

それなら、夢の世界でセックスしてて、

地のまんま、そういう言葉を発していたのかもしれない・・・


さて、どうなんだろう・・と興味津々な私でありました。


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しょぼ~ん・・・うなだれるパパ

2015-01-06 10:35:15 | 日々の暮らし・思い出
昨夜夕飯もおむつ替えも終えて寝てもらう頃、

パパ(義父)は「風呂に入るわ」と。

倒れる前の意識になってたよう。

私たち夫婦は風呂に入った後だったけど、夫は「今日は入れてないんや」と言うと、

言葉は特に発さなかったけど、実にしょぼ~んと情けなさそうな顔。

倒れる前、昼間、日帰り温泉に行った晩にも

今日は風呂は?と聞いたことがあったパパ。

その時に、私はえっ?という反応してしまって、それでも、

「おとうさん、入りますか?」と言うと、

「いや、ええんや」で終わってしまった。

本当は入りたかったんだろうけど、私の様子を見て諦めてしまったんだろうと思う。

風呂で温まって寝たい、というのがあったんだと思う。

そうだ、いつも風呂に入る時は「ぬくたまって来るわぁ」と言っていたんだもの。

私が(昼間入ったのに?夜も?)なんて反応の顔をしてしまったから、

遠慮して風呂に入りたいという気持ちを引っ込めてしまったのだろう。

その時は昨日みたいな本当に情けなさそうな顔はしなかった。

今、思うと申し訳ないことをしてしまった。

その義父の姿は自分を律していた、と言ってもいいかなと思う。

私に気を使っていたのだと思う。

昨日のあの瞬間、義父は自分の今の状態がどうなっているか、

わかっていない呆けモードだったから、

所謂、裸のままの義父が出たのかと思った。

風呂に入りたかった、という気持ちをしょぼ~んという表現で表す。

彼は強く自己主張したりしない。

倒れる前の「いや、ええんや」は理性の皮がついていたけど、

呆けモードの時、その皮が剥がれて彼そのままが出たのかと思った。

本当に情けなさそうな顔をした。

前に「焼酎は今日はこれでおしまいです」と言った時も、

実に情けなさそうな顔をした。

あれも同じだなと思った。

倒れる前にそんな顔をされたら、きっと私はすぐに風呂の用意をしただろう。

思わずそうしてしまっただろう。

相手の意思を曲げようとはせず、(なんで風呂を用意しないんだ、なんて批判せず)

ただ、残念だという自分の気持ちを表現するだけの義父。

思わずそうしてしまう人。

それが義父なんだと思う。

そういう表現で現われた意志は無理なく人に伝わって、

人をそうしたくなる気持ちにさせるもの、

・・・なんだろうと思う。

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