ムカデとことこ

 ひとが幸福になること・意識の成りたち・物理と心理を繋ぐ道
       ・・そんなこと探りたい

寝る寝る寝る寝る・・・・

2015-01-09 13:43:12 | 日々の暮らし・思い出
ここのところ義父は寝てばかりいる。

で、眠っていても声をかけさせてもらう。

目を瞑っている(寝ているのかと思う)時に、

「おとうさん」・・「何か飲もうか」と飲む真似をしながら声をかけると、あぁと言ってくれる。

食べるより飲むことを欲するように見える。

水分をとるのがいいのだろうけれど、水分だけでお腹が一杯になるようで、

ポカリを飲むと、その後もう要らないと言う。

で、最近、テレビで三浦雄一郎が出てるコマーシャルのメイバランスというのや

カロリーメイトを飲んでもらっている。

うまい!と言ってくれるのでちょっと安心してる私たちだ。

ちょっとしか口に入れないので、少量でも栄養価のあるものをと考えると、

そういった食品になってしまう。

メイバランスというのは125mlで200Kcalもある。

義父の口に入る普通のご飯や魚の量ではそれだけのエネルギーを取り入れられないので、

そういうものに頼ることになる。

義父もあれから焼酎を飲みたいとかも言わないし、

好きだった刺身も食べたいと言わない。

一度、鯵とはまちの刺身を食べてもらったけど、小さいのをほんのちょっとだけだった。

寝込んで嗜好も変わったのかもしれない。

もとより、アレが食べたいこれが食べたいなんてほとんど言わない人だったからね。

転倒する前も食欲はぐんと落ちていたし、

風呂上りは息切れがひどかった。

一夜でダウン、というふうに見えたけれど、

彼の中では一日一日衰えが進んでいたのだろう。

それにしても、急激的な眠りの量の多さよ。


来客があって普通に話が出来たり、

自分で飲んだりしてる姿を見ると、

あぁ、これならだんだん元気になって春、夏を迎えられるだろう♪

というような気になって、ほっとして、

荒い息遣いと無呼吸の繰り返しの、ただただ寝てばかりいる姿を見ると

もう危ないんじゃないか・・・などと思う・・・・

そんな気持ちの繰り返しをしている。

そんなことを夫に言ったら、同感同感というふうに頷いていた。

さっきは「今日は畑はやめておくわぁ、外は暑いから・・」と言っていた。

きっと夢のなかでは真夏だったに違いない。

義父の人生で最後の畑行きは去年、6月24日だった。

なんだか、その日が畑での最後の日のような気がして憶えている。



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「なにもかも解放された」

2015-01-09 12:53:31 | 日々の暮らし・思い出
昨日のこと・・・

義父に声をかけて起きてもらった。起きてもらうといっても、

ベッドのリモコンを押すだけなんだけど。

その時だったか、彼は静かに「もう何もかも解放された」と呟いた。

この頃はおむつ替えも抵抗が無くなった。

そう言うほど大それた抵抗があったわけじゃないんだけど、

退院してすぐの頃、(おむつの中の)大便はそのままでいい、

と彼は言ったことがあった。

私や夫にそういうことはしてほしくない、というのがあったのかもしれない。

町の広報などで亡くなった人の名前が載っている欄があるのだけど、

その中で95才誰某なんていうのを見ると、

こういう人は施設にいて寝たきりの人だ、とか彼は言っていた。

何の根拠もないと思うのだけれど、彼はよくそう言っていた。

高齢であっても寝たきりでなく、

いろんな面で自立していることが彼の誇りだったんだろうと思う。

それがたった一夜にして寝たきりの人になってしまった。

まさか下の始末までしてもらうようになるとは・・

・・・というような思いがかなりあったのかもしれないと思う。

けれど、彼はそういう最後のプライドも捨てた・・・

それが「なにもかも解放された」の言葉なんじゃないのか・・

と、私は思った。

勿論勝手な解釈だろうとは思う。

義父のその言葉の本当の意味がどういうことなのか、

多分私にはわかってないのだとは思うのだけど、

なんだかそんな気がしたのだ。


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