ムカデとことこ

 ひとが幸福になること・意識の成りたち・物理と心理を繋ぐ道
       ・・そんなこと探りたい

意志とあきらめ

2015-01-30 16:45:46 | 日々の暮らし・思い出
義父がベッドの柵を握って起き上がろうとして、

それが出来ずにうつ伏せになってしまい、

布団も掛けずにはぁはぁと息遣いが荒くなり、

その声に気付いて・・・体勢を変えたり、布団を掛けたりしたんだけど、

じゃあ、そうならないようにどうしようかと考えた云々・・をこの前書いた。

で、ベッドの柵をつかめないように、段ボールを柵にかぶせるようにした、

・・というのをした。

これなら掴めない、大丈夫!と私たちは思った。


その晩は夫が傍に寝た日。

荒い息遣いで目が覚めた夫が見てみると・・・なんと!

段ボールをかけてない右側の柵を両手でつかんでそれを自分の腹に乗せていた、という。

今までいつも左側の柵につかまってベッドから降りようと?していたようなので、

段ボールを右側にはしなかった・・・のだった。

きっと左側がつかめなかったので、じゃあ、右側から・・と思ったのかと思う。

トイレに行くつもりか、何処かへ行くつもりだったのかわからないけれども、

ここから降りて何処かへ行きたいという意志がすごく強いのだなぁと思った。

その意志を実現するに必要な体力を十分持っている、と思った。

ただ、左脚が骨折で動かないから出来ないだけで。


義母も肺炎がキッカケで寝たきりになってしまったけれど、

トイレで用を足してズボンを上げるとき、一人で立てなくなって、

おむつをしてくれと自分から言ったのだった。

トイレで排便することを自分から諦めたのだ。

おむつをすることを納得していた。

義母は自分でそれを選んだ。

だからベッドから降りようとはしなかった。

そのせいか、呆けてもそういう行動はとらなかったんだけど、

義父の場合、骨折したその日まで、自分で歩いて自分でトイレに行っていた。

そういう暮らしの中、肺炎と十二指腸潰瘍と骨折が重なって、

おむつでの排便に納得もくそもない状態から、一気に寝たきりになってしまったのだ。

で、高齢者寝たきり効果の呆け状態の時には、

トイレに行こう、ベッドから降りよう、となってしまうのだと思う。


こうなってもしかたない、と自分で納得して・・

・・という意識に到達する時間もなく、寝たきり呆け状態になっちゃったせいで、

こういうことになるのかと思った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする