中川昭一は、結局酒で命を落としてしまった。
長年の酒量の蓄積、そして酒で失敗し挙げ句の果て職も失った。
これだけならその辺によくある庶民的な話だけれど、
彼はエリートだ、挫折を知らないエリートだった。
亡くなる3日前から下痢で体調を崩し、食事が喉を通らない状態になっていたというから、今回の落選がどれ程の心労だったか察するに余りある。
人は亡くなった人を悪くは云わない、それは生命とか魂に対する尊厳からなのか、そうすることが美徳とでもされているからなのか。
あえて云えば、あの朦朧会見の無様な姿は目に焼き付いているし、その後の不誠実な言動には今でも腹が立つ。
けれど、功績は勿論、失態も挫折も決して消えない彼が生きた証しだと思う。
彼は平身低頭、どぶ板選挙の様ななりふり構わない行動は、間違っても出来なかった人だと思う、そこが可哀想でならない。
後援会婦人部の会長が〝どんな思いで死んでいったのかと思うと・・・〟と嗚咽していた。 本当にそれを思うと身につまされる。