天地公道(人生の処方箋)

私達人も天地自然に生かされて、
人力を尽くし、自分の運命を切り開きましょう!

9/6 捨て身の愛

2018-09-06 16:37:39 | 沿革


30#9#6 沿革3回目
木ノ本有馬の続き~

保市を座敷に上げると、いったん大師堂に戻りました。ところが、いっこうにご両親は姿をみせません。

タミさんの話しは、青果商をいとなむ関係で、息子の病気をかくしていることがわかりました。

御神尊様は突然、「このままでは、保市が死ぬぞ‼️」といわれ、小山家にむかわれました。

九鬼夫妻とタミさんを伴われ、小山家の裏庭に入られて、〈水桶にひしゃく、簀の子の準備〉を指示されました。

小山家では、何が始まるのか、ご両親も保市も固唾をのんで見ています。
やがて、行衣に着替えた御神尊様は簀の子に座ると、九鬼虎次郎さんに、「みずをかけろ‼️」と、ひと声。
そこから、決死の寒中の水行がはじまりました。

粉雪まじりのさなか、水をかける九鬼さんも、かけられる御神尊様も命がけでした。

やがて、10ぱいが、30~50ぱい。時間とともに、御神尊様のおからだの様子もかわります。

血の気の失われた、真っ青な肌の色と、今にも倒れそうに、前後に揺れるさまは、九鬼さんをして、思わずひしゃくを投げ出して、逃げ出そうとするほど、「かけんかっ‼️」れっぱくの気合いに励まされて、一時間有余、水桶、40杯に及んだ頃、

軒下から、うかがうように見ていた両親が、さしもたまらず、「赤の他人でさえ、保市のために命がけ、私たちは」胸に迫る愛情の発露、これまでのことをすべて捨て、素直な気持ちのまま、御神尊様にすがりました。「私がわるうございました。もうおやめください❗️」

すると、座敷に臥せっていた保市は、いつのまにか縁側ににじりより、柱にすがりながら立ち上り、「たすかりましたあ」と、か細い声でさけんだのでした。

それを聞いた御神尊様は、「保市が助かったぞ」声をふりしぼり、その場に倒れられました。

時に、1935年、昭和9年1月15日、29才のみぎりでした。
〈御神尊様の捨て身の愛〉両親の心を変え、ざんげは神を呼び、6年の肺結核即決の救いとなりました。

御神尊様は、愛や恨みのなかに、〈病を作る力、病を治す力が、人間そのものに、あることを発見されたのです〉

保市青年は、その後近くの浜辺を散歩するようになり、やがて大師堂にも参拝するようになりました。

のちに、地元の役所に勤務、課長職にもつかれたそうです。

(長くなりました。今朝は、やめることが、できず、泣きました‼️)

合掌

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9/5 為せば成る

2018-09-06 15:41:38 | 沿革
沿革は、毎回、20年の御行と70年の御生涯を、90分で語ります。
そのたびに、原稿を書き、夜の原田の御行場 で、必ず予習をしたものです。

沿革の根底に流れているのは、〈どのような困難も、為せば成るの精神力で乗り越えることを学ぶ〉ところにあります。
ところで、今朝はなにを伝えたいかと言えば、
御神尊様が、保市青年の啖を、くちにすることです。皆さんは、どうのように受けとめているのでしょうか?
あるとき、道座のなかで、保市青年の啖のことに触れました。

すると、北九州からの受講生が「先生、そのことは、私も経験しました!」といわれるのです。
そこで、語られたのは、昭和30年ごろ、北九州市、折尾で開かれた〈大天幕、大講堂〉でのできごと。
保市のような、青年がいて、咳と啖をぬぐい、しきりにハンカチをあてていました。

御神尊様は、講話のあとは、場内をまわっていましたが、
その青年の前で、たちどまり、「結核か?心配するな、必ず助かる‼️」
そして、突然、咳き込む青年の啖を、みずから、くちにしたそうです。

青年も感動のあまり、涙に濡れ、場内は騒然とするとともに、教師に「助かりました‼️」と、発表する人で、熱気に包まれたそうです。

不思議なことに、その後の講習会の道座でも、同じことを話す受講生がいて、私の心中に、「御神尊様と保市青年のその場」を求める思いに、御神尊様が、みちびいて、いただいたのどしょう。
後日談として、その受講生のお孫さんが、後に、岐阜から、本庁教師になられた、宮口誠教師というのも、お計らいですね。「これだけは、書いておきたかったのです。ありがとう、ございます。」やります!
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9/4 木ノ本有馬、大師堂

2018-09-06 15:34:53 | 沿革


3ヶ月
「甥の小山保市が肺結核です。助けて下さい」小山タミさんの必死の思いに、御神尊様は「親をつれてこい❗️」
このころは、まだ祈念祈祷による旧態信仰でした。
しかし、家族の一丸の力、特に親の愛を抜きにしては、一時的な効果に終わることが、臨床経験から見えてきました。だから厳しくタミさんに指示したのです。
しかし親がこないので、タミさんが、「すみません、私が親代わりになります。どうかおねがいします。」
御神尊様は、タミさんに案内されて小山家をおとずれました。
ご両親の態度は、かたくなで、気持ちを開くどころか、人の家のことに他人が首を突っ込むな、と話を聞こうとしないのです。

そのうちに、家の裏庭の小屋に保市青年が、隔離されて寝ていることがわかりました。

御神尊様は、その小屋の保市青年の枕辺に上がり込みました。
当時の、肺結核は、衛生状態の劣悪な環境や、食事のかたより、貧困などから、不治の病いとされていました。
痩せさらばえて、汚い布団に寝かされた保市は、ときに咳をするたびに、くちからゴボゴボと、啖がこぼれるのです。
御神尊様は、添い寝のかたちをとりながら、「苦しかったろう、辛かったろう」となぐさめながら、くちから、こぼれる啖を指先でぬぐい、自分のくちでぬぐいとりました。

あまりのことに、九鬼夫妻、小山タミさんは、呆然としました。
ご両親も、見ず知らずの行者さん、態度には驚きました。
そして、「お前の病気は、神経から来ている。気をしっかりもて!」と声で励ましながら、
皆に聞こえるように、「うつりはせん。それよりも、保市を座敷にあげろ、こんなところに寝かせてどうする!」と両親を叱ります。仕方なく、小屋から、家の座敷にあげました。
(今朝は、ここまで、書きたいことがあり、少し長くなります。しかし、救いの親のこと、学んで力にしてください。やります!)
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9/3 小山タミさん

2018-09-06 15:27:14 | 沿革


30#9#3 沿革3回目
木ノ本有馬、大師堂~

九鬼虎次郎トメさんは、大師堂に遍路さんを泊めては、お世話をする熱心な信仰者。

つい、3日前に泊めた遍路さんに、祭典用の提灯に文字を依頼したところ、「私のあとに来られる修験者が、力のある方だから、たのみなさい」と、断られたばかり、そこに、言われたとおり来られたのが、御神尊様でした。

人品骨柄(じんぴんこつがら)犯しがたい、人柄に、ただ者ではない雰囲を感じていました。
とても、29才には見えない威風がありました。

提灯に文字を入れてもらうとともに、しばらく逗留して、大師講の信者仲間に法話をたのみました。

ところが、これが機縁で有馬の里に、3ヶ月の長きにわたりとどまることになりました。

それだけ、運命的問題を抱えた方、熱心な信仰で道を求めるひた向きさに、いつの間にか日にちを重ねることになったのです。
やがて、持病を持つ人、難病に苦しむ人が、法話を聴いて、次々に助かるようになりました。

ある日、小山タミさんが、今まで、お世話に回っていたのが、「わたしの、甥に肺結核で、苦しんでいるのがおります。助けて下さい」と、すがってきました。
この方も、九鬼夫妻についで、熱心な信仰者、遠慮がちに、いわれたのも、目の前で救われていく方々を見て、押さえていた、悩みがあふれでたのです。

「では、親をつれてこい」と、タミさんに、言われました。
(明日を楽しみに)やります!

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9/2 1本歯の高下駄

2018-09-06 15:20:59 | 沿革
30#9#2 沿革3回目


民情踏査の行も、三重県は有馬の里にさしかかりました。
その間「結婚式の親代わり」を頼まれ、親の深い信仰心にうたれたことも
ありました。

不思議な体験もしました。
御神尊様は当時、腰に五つのわらじを下げ、はきくずしては取り替えていました。
あるときから.、天山の修行で使った、下駄に履き替えていました。

当時は、舗装路ではなく、自然のままの道で、しかも高下駄の1本歯のものでした。

皆さんは、見たことも、聞いたことも、ないかも?
私は、中学生までは、高下駄の生活でした。

1本歯の高下駄は、今は武道家が、修行ではくだけでしょう。

その下駄の歯もすり減り、歩くのも困難なとき、田舎道に〈下駄の歯替え屋〉がいて、「それでは、歩くのが大変でしょう」と声をかけてきて「替えてあげます」「お金がないから」と断るのに、無料でかえてくれました。
ところがこの下駄は、歩いても減らないのです。
御神尊様は、これは弘法大師の化身ではと、歯を外して、ずだ袋に入れて遍路をつづけました。

後に、御生家の御神殿にお供えされましたが
功徳を聞いた信者さんが、お参りのたびに、下駄の歯をけずりとり、薬代りにされ無くなってしまいました。
(今朝は、エピソードで終わりました。ごめんなさいね。)

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