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美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

新型インフルエンザ その後

2009-06-24 16:19:22 | Weblog

新型インフルエンザ その後

 

「新型インフルエンザも大分落ち着いてきました。」と言ってもこれは、マスコミでの取り上げ方に関してですが。 実際には日本では400人、韓国でも40人余りの患者が確認され、これは今後も増え続けるでしょう。そして、その余韻は、人々の生活、活動にも影響を与えています。当院に通われている患者さんも、予約していたハワイへの旅行も会社の支持で断念したとのことですし、うちの子供の修学旅行も中止になりました。今日の時点では、まだハワイでは患者が確認されていないと思いますし、日本の患者数が世界でアメリカ、メキシコ、カナダに次いで4番目ですから、むしろ他国に移さない為と言うならわかるのですが・・・

 

徹底した水際作戦と銘打っておこなった空港での検閲にもかかわらず、この患者数の増加は このグローバル時代に 鎖国でもしない限り一人も感染者を入れないこと自体が可能であったかどうかです。勿論 他のアジア諸国に比べ、日本の患者数が多いのは それだけ感染者を診断、判別する高い医療システムと、きちんとチェックを受ける日本人の真面目さの結果、正確にスクリーニングされた為でもあるでしょう。他国の人なら 多少熱があっても、23日休んでいれば治ると病院にも行かず、その結果 患者数として確認されない部分も多いと思います。

 

外国人からは少し奇異に見えるマスクの使用も、実際の効果以上に、周囲の雰囲気から掛ける傾向があるようです。本来 感染した人が拡散させない意味はあっても、予防的な見地からは 疑問視する専門家も多いのも事実です。むしろ拡散させない目的なら、マスクをして外に出るより 外出を控えることが優先でしょう。(でも外国で 少し揶揄されて報道されていることを知ると 今度は必要な人まで マスクをしなくなるのも日本的ですね。) はやりの「抗菌グッズ」の発想も、人間は何十種類の細菌と共存もしている事実を無視したものです。清潔、無菌信仰がかえって、アトピー、喘息などの子供のアレルギーを増やす原因と考えている学者もいます。

 

いたずらにパニックにならず、外出した後は、手洗いやうがいを心がけ、体調が悪ければ休むことです。感染しても、健康な人なら 人間はすばらしい免疫システムを装備し、それにより様々な感染流行から勝ち抜いてきたのですから・・・

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韓国 再生医療の再生

2009-06-24 15:51:57 | Weblog

韓国 再生医療の再生

 

 以前コラムで韓国の再生医療は、ES細胞に関する論文捏造事件のトラウマからいまだに抜けられずにいるという内容を書きました。米国をはじめ先進国では、ES細胞(胚性幹細胞)、iPS細胞(新型の万能多機能細胞)に関して、次世代の先端医療技術と捉え、国を挙げて莫大な投資をしています。一方、韓国ではやはり、あの事件以来 政府のバックアップも消極的となり、地道な研究者がそれまで培ってきた技術の灯を絶やさないよう頑張っているのが現実のようです。しかし、先日 日本の新聞紙面に 米国ハーバード大の韓国人研究者が中心となって、このiPS細胞の新しい作成法に成功したというニュースがトップで取り上げられました。

  iPS細胞は、体細胞に、ある4種類の遺伝子を入れることで ES細胞のように受精卵を使用することなく 他の様々な細胞に分化できる万能細胞として日米の科学者により作り出されたものですが、他の遺伝子を使用することで、細胞の癌化の可能性を、否定できませんでした。今回は、直接遺伝子を入れるのでなく、抽出したタンパク質を入れることでiPS細胞を作成したことでより安全性を高め、再生医療の実現に大きな一歩になることと期待されます。

  韓国の再生医学界には、久しぶりの明るいニュースです。にもかかわらず、韓国内のニュースとして、あまり取り上げられていないように感じたのは、私の情報不足でしょうか?国内に 捏造事件の後遺症で、慎重になりすぎているのか、元大統領の悲しい出来事から癒される時間が必要なのか、あれこれ思い巡らせてしまいます。もう一つ、この論文を見てみると、大部分韓国人の研究者ではあるものの、米国の大学研究室所属であり、特許などの所有権は韓国内とはいかない点、海外への頭脳流出の現実も心配になってしまいます。

  素直に 優秀な韓国人の成果と、喜べばいいのに、「お前は考えすぎだ。」と読者の声が聞こえそうですね。

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