青春のシンボルと言われても
よく患者さんに、「韓国の女性は肌がきれいですね。」と言われます。実際に皮膚の状態を国、民族別に比較解析した文献やデーターがあるでもなく、また 美肌というものにはっきりした医学的定義もないため明言できませんが、肌の質感、透明感、滑らかさなどの部分で、韓国女性の肌の平均値は高いと感じることはあります。感覚的には 東北美人、博多美人と言われるような地域的な美肌美人に近いでしょうか。キムチのカプサイシンやニンニク効果であるとか、アカスリ効果であるとか、はたまた体質的なものなのか等々、一度詳しく研究してみたいテーマです。 ただどの国、どの地域の人でも肌に対する相談が多いものの一つがニキビです。よく‘青春のシンボル’などと甘酸っぱい思春期の思い出のように語られることがありますが、当人にとっては深刻な悩みであり、母親と一緒に来院した男子中学生は、そのため 登校拒否にまでなったと言うケースもありました。その他にも死にたいくらい悩んで、皮膚科に受診しても同様に‘青春のシンボル’程度の扱いで、とりあえずの抗生物質やビタミン剤の処方とともに 「よく洗顔しなさい。」で、所謂 ‘ニキビ難民’は意外と多いようです。ニキビは命に関わる病気でないことと、ホルモンや体調の崩れなどから悪化しても、自然に治癒すると言うイメージから軽く見られているのかも知れません。もしこの記事の読者やお知り合いの中に、やはり吹き出物や、ニキビ、乾燥で悩んでいる方がいらっしゃったら、むしろ洗い過ぎていないか自問してみてください。肌の役割の一番大きなものは、バリアー機能です。そしてこのバリアー機能を維持しているものが 肌の表面に形成される皮脂から形成される皮膜層です。強い洗顔剤、クレンジング剤などは、化粧品や汚れのみでなくこれらの層を溶かしてしまう可能性もあり、肌の抵抗力を落とすだけでなく、乾燥によりむしろ 毛穴からの脂の生成を活性させている可能性があります。一生懸命洗顔した結果、かえって乾燥、敏感肌と毛穴の詰まりを起こしているかもしれません。某大学の皮膚科教授が浮浪者の肌を調査したところ、非常にきめ細かく健康な肌であったことに驚いたというものがありました。これは極端な話ですが、皮膚ケアーに関する考えかたの重要な一面とも言えるでしょう。
アジアン美容クリニック