ソルラルと春節と旧正月と・・・
朝鮮半島、中国、台湾、モンゴル、ベトナム、そして その他東南アジア諸国においての最大の年間行事は、旧正月でしょう。かつては日本でも、正月は旧暦で祝っていましたが、明治政府が欧米に倣って、グレゴリオ暦(新暦)に直したことで、その習慣が忘れられました。しかし、今でも正月を表す挨拶や季語に‘初春’など春の字が多く使われるのは、旧暦の名残かもしれません。
韓国では今年のソルラル(クジョン、旧正)の帰省で、2500万人以上が移動したようですが、中国に至っては鉄道だけで2億1000万人、国内全体では本土の人口を超える、延べ25億4100万人が大移動をするというから驚きです。これは、人類史上最大の規模だと言われます。これらに伴う経済効果は一体どの程度になるのか想像すると、世界経済にも大きな影響を与えても不思議ではありません。欧米諸国でよく、クリスマス商戦をその歳の景気の指標にすることがありますが、ゆうにその額を超えそうに思えますが、どうでしょう。ところで今年は、偶然 旧正月とバレンタインデーが重なりました。あまり関係ないという人も多いでしょうが、韓国、中国では、家族を取るか、恋人を取るかで悩んだカップルもいたそうです。そこはやはり家族を優先して、恋人には帰省してからあらためてと、故郷に行った若者が多かったようで、これも旧暦の勝ちですかな。
我が家でも、格式通りというわけには行きませんが、ささやかな‘ジェサ’(祭祀)の準備をして朝、先祖にお祈りし、家族でトック(韓国雑煮)を食べていると、日本の最近の正月にはない、落ち着いた気分になるのは、私が歳をとったせいだけではない気がします。日本も明治政府が、当時の欧米の文化、制度を取り入れて、新暦に変えた様に、アジアの新しい時代、少子高齢化の中、家族意識向上、そして何よりアジア全体の経済波及効果を考慮しても、再度 旧正月を復活すると言う案は検討してもいいのではないですか?