いじめと「왕따」(ワンタ)
子供が、親の虐待やいじめなどで不幸な結末になったニュースを耳にした時ほど、悲しく、居た堪れない気持ちになることはありません。先月、群馬県の女子小学生児童が、母親にプレゼントしようと編んでいたマフラーで首をくくって、自らの命を絶った記事を目にした時も、言いようのない重苦しさを感じました。その後の報道で、やや頼りなくも見える校長の会見があり、その語も二転三転する説明に、マスコミは、攻撃の矛先を見つけたとばかり執拗に映し出しました。しかし、私には彼が今回の事件を収拾させるためのスケープゴートの様に思えてしまいました。勿論、学校の対応、担任の指導にも至らない点があったのかも知れません。しかし、報道にったように、子供の母親がフィリッピン人であったことが、からかいの原因の一つであったという点が、気になるのです。
‘いじめ’は、先進国と言われるイギリスや、米国でも深刻な問題です。何度か報道されえた学生による校内での乱射事件の加害者も、実は多くがいじめの被害者であったといことです。しかし、奈良教育大学の調査によると、日本の特徴として、欧米では異年齢、先輩からの教室外での暴力的いじめが多いのに比べ、同級生による教室内での精神的ないじめが圧倒的に多いとあります。どちらがより問題かというより、仲間内での異質なものに対する拒否反応が、日本は強いのかも知れません。勿論、韓国でも教育問題の一つにあげられるもので、「왕따」(ワンタ)といういじめにあたる言葉があります。最近はインターネットの匿名性を利用して学校全体や、広くは全国に広がることが、さらなる社会問題となっています。一方、いじめのきっかけには、先の群馬の小学生ケースの様に、片親の国籍が異なるといった所謂「多文化家庭」の児童の場合があり、それに対する対策も始められています。私も医療顧問として参加している‘Hope Kids’という団体もその一つで、韓国内での多文化家庭の児童に対して政府の協力を受けながら、文化教育支援を行っています。韓国も日本もグローバル化とともに少子化で人口減少が進んでいく中、取り組むべき課題の一つと考えます。
子供社会は子供のルール、特徴があるとは言え、大人社会の縮図でもあります。いじめ問題を考えたとき、社会全体の価値観や方向性を考えずには、対策は難しいでしょう。
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