「新世界の七不思議(自然編)」に韓国の済州島が選ばれ、新たな観光客招致のきっかけになればと当地では大いに期待しているようです。元々世界の七不思議と言えば、紀元前2世紀にフィロンによって書かれた古代の七つの巨大建造物を指したものでしたが、現存するのはキザの大ピラミッドのみです。今回、スイスの「新世界七不思議財団」が現代の世界七不思議を決めようと2007年の第一回に続いて、世界中からの投票をもとに第二回目の選定となりました。ただし今回は自然編という名のとおり、人の手によるものではない自然景観や自然遺跡を条件としたものです。しかし、古代の七不思議は地中海領域に限られたもので、情報社会の現代まで七つという数字に絞る意味はあるのかと落選した地域などでは不満げな声も聞かれます。
そもそも西欧でラッキーセブンなど「7」と言う数字が特別な意味を持つのは、旧約聖書にあるように神が七日目に天地を創造したことから聖なる日、完全な数字となりました。日本では、‘ミスタージャイアンツ’長島茂雄さんの影響からか「3」や、漢数字の形から末広がりということで「8」が好まれるのではないでしょうか。中国人が最も好きな数字も「8」だといわれますが、これは8の中国語読みが「発」に似ていることから‘発財’すなわち‘財を成す’という意味につながる為です。確かに中国にあるホテルの電話番号は、8が並ぶものが多いですし、8月8日はどこの結婚式場も予約で一杯になるといいます。では,韓国人が好む数字何でしょうか。長島さんとは関係なく、やはり韓国でも「3」は縁起の良い数字として扱われています。これは高句麗の建国神話で登場する三足鳥などでも表現されるように、3が太陽を示すことに由来するようです。また、古くからの土俗信仰のも三神信仰があり、子供の生後一年目のお祝いには、三神ハルモニ(婆さん)という妊娠・出産の神様に感謝して果物や餅を供えます。今回「新世界七不思議」に選定された済州島にも、本土とは違った独自の建国神話である「高、梁、夫」の3つの姓を持った3人の神による三姓神話が存在するのも非常に興味深いものです。
数字の3と言えば、‘済州島の特徴に「三多」と「三無」があります。三多は「石と風と女」、三無は「泥棒と乞食と大門」です。自然環境の厳しさと、そこから育まれた住民の信頼関係と団結力を示すものでしょう。