プライバシーと知る権利
現代では、様々な場所で‘プライバシーの尊重’ということが謳われて久しくなります。最近では病院でも患者さんお名前を呼ばず、番号などで知らせるところも増えてきました。しかし、患者や薬の取り違え事故なども考慮しなければならず、匿名にすることのリスク、それに対する十分な確認作業も同時に考えなければなりません。一方、マスコミなどでよく‘知る権利’に関して主張する論調も見られますが、最近ではウィキリークス(Wikileaks)で、国家の外交活動と国民の知る権利が話題になりました。
昨年Time誌の‘Person of the Year2010’に選ばれたのは、新しいソ-シャル・ネットワーク・サービス(SNS)Facebookの創設者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏でした。SNSといえば、日本ではmixiがよく知られていますが、こちらは会員がお互いにニックネームを使用して匿名性を守るものですが、Facebookは原則、実名登録を推奨し、プロフィールや写真が公開されます。実名であることから、知人や友人、特定の人物を捜し、コンタクトを取ることで、新しいつながりが生まれていくものです。2004年の開設以来、会員は5億人を突破し、世界70言語に対応するまでになっています。世界のネット総人口を実名でつなぐ、というコンセプトを持つザッカーバーグ氏をもって「個人のプライバシーの概念を変えた男」と呼ぶ人もいます。
韓国でもFacebook は急激に普及し始めており、去年半年間の伸び率が60%と他の国と比較しても、目覚ましい伸びをみせています。反面、韓国のネット社会の負の部分でもあるプライバシー侵害という点で、韓国通信委員会で、Facebookが個人情報の取り扱いや第三者への情報提供に関して、韓国のプライバシー法に違反していると認定、改善を要求しました。
自分が載せたい情報、一面を公表し、ネット上で様々な分野、地域の人と瞬時につながりを持つという点は、特に仕事や目的によっては、今まで考えられない範囲、効率で行われていくという点は魅力的でしょう。しかし、世界の反対にいても自分が興味を持つ人とは特定の話題で関係し、家族や隣人とは挨拶もしないといった社会を想像してしまうのは、私が古いアナログ人間だからでしょうか。
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