多民族文化の可能性
約1ヶ月間にわたり、韓日の多くの人々にも、興奮と感動を与えてくれたワールドカップもスペインの優勝で幕を閉じました。今回の出場チームの中で、個人的に強く印象に残ったのは、大会前は優勝候補の筆頭に上げる専門家も多かったイングランドや、我ら韓国代表には圧倒的な個人技で圧勝した同じく優勝候補のアルゼンチンに、統率の取れた守備とスピード溢れる攻撃力で4-0のスコアーで完勝したドイツチームです。惜しくも順決勝で敗退しましたが、堂々3位となりました。スポーツニュースではゲルマン民族の底力などと表現しているものもありましたが、実は今回のドイツ代表の半数近くが移民背景を持つ、ドイツでは「M世代」といわれる選手たちだったのです。両親の出身国では、トルコ、ポーランド、セルビア、ブラジル、ナイジェリア、ガーナ、チェニジアとまさに多民族連合軍といってよい程です。
かつてナチス・ドイツの時代、ゲルマン民族の優秀性を守るという名目で、偏った‘優生学’を推奨し、ユダヤ人や障害のある人々迫害した歴史がありました。そもそも優生学のはじまりは、イギリスでダーウィンが進化論を提唱した後、その学問的弟子たちが、生物の進化の過程に‘人間の淘汰’という概念に結びつけたことから生まれました。当初は、学問的な意味のみで、障害者差別や人種差別などを肯定するものではなかったものが、世界恐慌の中、移民者、外国人に対する不満や、働けない弱者に対する経済負担の軽減を掲げて、優生思想が利用されるようになっていきました。しかし今、ドイツは人口の一割近くが外国籍となり、10年前からは、国籍法を血統主義から出生地主義に改正しています。その結果が、今回の代表チームの多彩なメンバーに反映されたのでしょう。
生物学的には、単一種や限られた種の中での交配よりも、混血のほうが多様な性質の子孫が生まれやすく、それゆえ 様々な環境の変化に適応し、進化しやすいとも考えられます。勿論、人間社会、国というものに対して、単純に進化や遺伝を結びつけることはできませんが、単一民族とか純血主義という言葉が、一部の統治者によって別の意図の為に利用された歴史があることも事実です。
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