子供が一番聞きたくない親の言葉の一つが「勉強しろ!」ではないでしょうか?怠け者の私自身、子供のころは、そう感じていたことは間違いないのですが、今自分が親となり、子供に対して、同じ小言を言っている自分が可笑しくなります。しかし、親が子供に残せるもの、大人が次世代に託すべきものは、やはりモノや財産ではなく知識ではないかと考えます。危機感を持って、教育に力を注いだ国や社会は、発展し繁栄や今の豊かさや安定だけにしがみつき、若い世代にその意志を残せなかった国々は衰退していくことは、歴史が証明しているでしょう。そして、昔より何倍のスピードで刻々変化していく現代において、最も必要な実際の「役立つ教育」とは何でしょう。
今年初めて、経済開発機構(OECD)において、19の加盟国から3万7千人の高校生に対して、「デジタル読解力」調査を行いました。あまり聞きなれない言葉ですが、要はインターネット上の情報を読み解き、さらにウェブページで検索しながら、その情報の信頼性を評価する力という事です。確かに今はネットを開けば、様々な情報が溢れんばかりに流され続けています。逆に言えば、情報が有り過ぎて本当に自分に必要なもの、そして信頼できるものであるかの見極めが難しくなっています。今回はこの力を評価した新しい試みでした。結果は、韓国が1位、日本は4位と両国とも上位に位置しています。一方、学校で、授業中にコンピューターを使用した時間の長さと、今回の成績はあまり関係していなかったことも示されました。これは自宅などで、自分が興味を持つ情報に対してネットで検索することが、‘デジタル読解力’向上には重要だという事で、いくら時間をかけても関心がなければ身につかないという当然と言えば当然の結果とも言えます。これは日本の英語教育にも言えることかもしれません。インターネットも語学も、実際に目的のための道具として捉えなければ、「役立つ教育」にならないかも知れません。
反面、国語の読解力が高い国が、やはりデジタル読解力も上位にランクされています。教育には効率と共にコツコツ積み上げる努力もやはり欠かせないものです。ユダヤ人の格言にこんな言葉があります。「人にとって学ぶ過程こそ結果より大切である。」私もこの年で漸くこの意味がわかってきたような気がします。
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