「風流無談」第3回 琉球新報2007年8月4日付朝刊掲載
現在、大阪地方裁判所で、渡嘉敷島・座間味島で起こった「集団自決」について、日本軍の隊長による命令をあったとする本の記述をめぐり裁判が行われている。渡嘉敷島の隊長だった赤松嘉次氏の弟・秀一氏と座間味島の隊長だった梅澤裕氏が、『沖縄ノート』の著者である大江健三郎氏と発行元の岩波書店を訴えている裁判である。その第十回口頭弁論がさる七月二七日に行 . . . 本文を読む
「風流無談」第2回:琉球新報2007年7月7日付朝刊掲載
初代の防衛大臣に就任以来、放言をくり返してきた久間章生氏が、ついに辞任した。長崎への原爆投下は「しょうがない」という発言内容のデタラメさを考えれば、辞任は当然のことだろう。それにしても、「美しい国」づくりを掲げる安倍内閣の下に集まった政治家たちの酷さは目に余る。
去る四月十七日、伊藤一長前長崎市長が、選挙運動中に暴力団員に射殺されるとい . . . 本文を読む
2007年6月から琉球新報紙の文化欄で月一回「風流無談」というエッセーを連載している。掲載は第一土曜日の朝刊である。昨年は教科書検定問題や大江・岩波沖縄戦裁判について書くことが多かった。昨年分を以下に載せておきます。
「風流無談」第1回:琉球新報2007年6月2日付朝刊掲載
高校時代、学校の図書館にあった吉原公一郎編『沖縄本土復帰の幻想』(三一書房)という本を借りて読んだ。一九七二年の施政権 . . . 本文を読む