海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

渡辺憲央著『逃げる兵』より2

2014-06-10 12:40:44 | 日本軍の住民虐殺
 渡辺氏の著作が重要なのは、日本兵の側から見た住民虐殺の実例が示されていることだ。同書には、スパイ容疑で射殺された学生のことも記されている。  〈本部壕ではその夜、伝令の古川が中隊長に呼ばれ、米須に待機中の機関銃隊を呼び戻すよう命令された。大度と米須はわずか二キロ足らず。命令を受けた古川は深夜ひとり出発したが、米須に着いたときには夜が明けはじめていた。命令を伝えられた機関銃隊の芝山は、「よし、日 . . . 本文を読む