海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

ハンセン病市民学会in名護・宮古島(仮)に向けて

2010-03-08 01:28:52 | 差別問題
 来年の5月に沖縄県名護市と宮古島市で、ハンセン病市民学会第7回総会と交流集会が開催される。それに向けての実行委員会設立総会が7日午後から沖縄愛楽園であり、呼びかけがあったので参加してきた。
 来年はハンセン病国家賠償訴訟の熊本地裁判決から10年を迎える。政府による隔離政策がもたらした差別と人権侵害の実態を告発し、被害への補償を求めたハンセン病元患者たち原告が勝訴した裁判の様子は、メディアも連日大きく取り上げた。あれから9年がたとうとし、最近はハンセン病についてメディアが取り上げることも少なくなった。
 しかし、元患者のみなさんの平均年齢が80歳を越えるいま、全国13カ所のハンセン病療養所をいかに存続させていくか、いまだに残る差別意識をどう克服していくか、隔離政策をはじめとしたハンセン病差別の歴史や元患者のみなさんの生きてきた歴史をどう伝えていくかなど、多くの課題が残されたままになっている。
 それらの課題の克服のために、私たち市民に何ができるのか、何をしなければならないのかを考えていきたい。国の隔離政策があったとはいえ、地域においてハンセン病患者や家族を実際に差別したのは住民である。現在も、療養所を出て社会復帰しているが、自分が元患者であることを隠して生活している人は多い。とっくに病気は治っていて感染の可能性はないのに、偏見を持たれ、差別されることへの恐れを抱いて生きていかざるを得ないのが、この社会の現状である。自らの内なる差別の克服を含めて、この現状を変えていく努力が私たちに問われている。
 これから来年にかけて、県内の多くの個人や団体に「ハンセン病市民学会in名護・宮古島(仮)」への協力依頼や参加の呼びかけがなされると思う。ひとりでも多くのみなさんが、主体的・積極的に協力し、取り組みに参加してほしいと思う。

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2 コメント

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ありがとうございます (ユキ)
2010-03-08 09:01:01
どこよりも,誰よりも早く情報を示してくださってありがとうございます!
すごーく嬉しいです。
小中高校生,大学生が関われる大会にというご提案,大切だと思いました。
昨日は「出来ることしか出来ないけれど,なにかしたい」と思う人たちが,たくさん集まってくれました。
このささやかな力を,少しずつでも大きなエネルギーにしたいですね。
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お礼 (目取真)
2010-03-08 13:19:49
コメント有り難うございました。
昨日は交流会にも参加させてもらい、いろいろと話を聞かせてもらいました。
これから事務局のみなさんは忙しくなると思いますが、私もできる限り協力したいと思います。
多くの市民、団体の協力で「ハンセン病市民学会in名護・宮古島」を成功させたいものです。
高校の教師をしていた頃、新聞に連載された記事を教材化してハンセン病問題を授業で取り上げたことがありますが、現場の教師や生徒たちが参加できる企画も考えてほしいと思います。
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